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月給わずか1万3000円。障害者の賃金アップを支援

NEWSED PROJECT+地域作業所hana/インサイト--施設経営にビジネス手法を持ち込む

  • 高嶋 健夫

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2012年1月26日(木)

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 月額約1万3000円。これは地域の小規模福祉作業所(いわゆる授産施設)で働く障害者が得ている工賃の平均金額として、障害者福祉の専門家の間で広く定着している数字である(厚生労働省調査などによる)。このあまりにも低い賃金水準は大きな社会問題になっており、障害者自立支援法施行後、国も「工賃倍増計画」を打ち出すなど懸命にテコ入れを図っているものの、なかなか改善していないのが現状だ。

 法制度の制約など様々な要因が指摘されているが、施設経営という面から考えると、そもそも「ビジネス的な視点に欠けている」ことが最大の問題点と見る専門家は多い。もっと有り体に言えば、売れる商品が少なく、売る仕組みができていない。長い間、「障害者福祉」と「市場メカニズム」との間に大きな溝が存在していた、ということである。

 そこで今、障害者支援を志す社会起業家の間で、ビジネスノウハウを持ち込んでそのギャップ解消を図ろうという挑戦が始まっている。市場で受け入れられる魅力的な商品を開発したり、継続的に販売していく流通の仕組みを構築したりすることによって、授産製品の売り上げを伸ばし、施設で働く障害者の賃金を引き上げようという取り組みだ。

 特定非営利活動法人(NPO法人)のNEWSED PROJECT(ニューズド・プロジェクト、東京・千代田区)は、廃材を活用したファッショナブルなアクセサリー、日用品の独自ブランド「NEWSED(ニューズド)」を立ち上げ、その製作を千葉県木更津市にある「地域作業所hana(ハナ)」に発注している。NEWSEDのプロデューサーである青山雄二副理事とhanaの筒井啓介代表はともに31歳。2人の社会起業家は理念を共有する「ビジネスパートナー」として、強い連帯感で結ばれている。

 東日本大震災で被災した東北地方の障害者施設の支援に乗り出した社会起業家もいる。障害者雇用や福祉事業所経営に関するコンサルティングを専門とするインサイト(大阪市西区)の関原深社長だ。2011年5月、障害者支援に関わっている7つの企業、NPO法人などと協力して、被災地の授産製品を販売する全国的な応援ネットワークを作り、施設経営や障害者の収入確保を長期的に下支えしようという「ミンナDEカオウヤ」プロジェクトをスタートさせた。

 2つの取り組みに共通するのは、様々な経営資源を持つ企業・団体、専門家、そして消費者を幅広く巻き込み、持続可能なビジネスモデルの構築を目指している点だ。旧来型の障害者福祉の枠組みを乗り越えた、全く新しい「社会起業家主導の障害者支援スキーム」がビジネス社会の中で少しずつ形作られつつある。

作業所製品をファッショナブルなブランドに

 「NEWSED」とは“new”と“used”を組み合わせた造語。一口で言えば、エコロジーと障害者支援を結びつけた社会貢献型のオリジナルブランドだ。コンセプトは「古くなってしまったものを新たな視点で見ることで、別の新しいものとして蘇らせる」。

 原材料には、不要品などの廃材や生産現場で発生した端材などを活用。商品デザインには新進気鋭の若手プロダクトデザイナー集団を起用し、製造は障害者施設に発注する。販売はウェブサイトでのネット通販のほか、有名セレクトショップなど全国各地の専門店をネットワーク化するとともに、環境関係のイベント、百貨店の催事などでも随時販売する--基本的なビジネススキームはそんな仕組みになっている。

コメント1件コメント/レビュー

当方も障がい者として申し上げます。なんとか大手の会社で働いておりますが、社会や理念としての障がい者をとりまく環境は年々悪くなっておりますな。健常者は悪気はないのでしょうが、障がい者の在り方に対して「金あればいいでしょ(障がい者年金等)」「危ないから障がい者専用施設作るね」だの『無意識の弱者という視点としての差別』が多くなってきています。まぁ、社会全体に世知辛くなってもいますが。つくづくに官僚主導(中央集権社会)の概念は弱者保護の名目で事業所を作ろうとする(権限の増大、天下り先の創設)にチマナコになっており、本当の意味での障がい者の喜びを逆に摘み取ろうともしてますし。政治は機能不全に陥ってるので私自身は自立できてるとはいってもやはり、心の奥底で臍を噛んでいる意識はありますね。(2012/01/26)

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当方も障がい者として申し上げます。なんとか大手の会社で働いておりますが、社会や理念としての障がい者をとりまく環境は年々悪くなっておりますな。健常者は悪気はないのでしょうが、障がい者の在り方に対して「金あればいいでしょ(障がい者年金等)」「危ないから障がい者専用施設作るね」だの『無意識の弱者という視点としての差別』が多くなってきています。まぁ、社会全体に世知辛くなってもいますが。つくづくに官僚主導(中央集権社会)の概念は弱者保護の名目で事業所を作ろうとする(権限の増大、天下り先の創設)にチマナコになっており、本当の意味での障がい者の喜びを逆に摘み取ろうともしてますし。政治は機能不全に陥ってるので私自身は自立できてるとはいってもやはり、心の奥底で臍を噛んでいる意識はありますね。(2012/01/26)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長