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半導体市場、根強い二番底懸念

製造装置受注の回復持続に懐疑的な見方

  • 和田木 哲哉

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2012年1月27日(金)

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 日本半導体製造装置協会(SEAJ)が1月20日に発表した2011年12月の日本製半導体製造装置の受注額(3カ月移動平均、速報値)は、前月比約200億円増の1008億円と、7カ月ぶりに1000億円台を回復した。受注額を販売額で除した値であるBBレシオも、前月比0.23ポイント増の1.2に改善した。BBレシオが、需要が供給を上回っていることを示す「1」を超えるのは11年2月以来10カ月ぶりとなる。

 主要な半導体メーカーやファウンドリー(受託生産会社)が、増産に向けた設備投資を再開したことが背景にある。半導体市場では、韓国サムスン電子が総額25兆ウォンに上る2012年の設備投資計画を発表。米インテルも2012年は125億ドル前後と前年(107億ドル)から設備投資を積み増す計画だ。台湾の積体電路製造(TSMC)も高水準の設備投資を実施するとみられている。

 ただ、半導体を多く用いるパソコンやテレビなどの市場は回復の兆しがまだなく、製造装置の需要が本格的な回復局面に入ったとは言いにくい。東京エレクトロンなど主要製造装置メーカーの足元の受注は増えているものの、今後も同程度の水準を維持し続けるのは難しいと見ている。

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 半導体メーカーの寡占化が進んだことで、設備投資の主体が減っている。当面、米インテルなど大手3社の設備投資の意向に製造装置の需要が振り回されやすい状況が続くだろう。早ければ春先にも、製造装置の受注回復はいったん腰折れする可能性があると考えている。それ以降についても、欧米景気などの不透明要因が多い。

 そうした状況から、株式市場でも依然として半導体製造装置の受注に二番底懸念が根強い。当面の需給改善は既に製造装置メーカーの株価には織り込まれており、投資家が一段の強気にはなりにくい状況だ。その中で、最近拡大しつつある製造技術微細化に伴う設備投資の恩恵を受けやすい前工程装置主体の企業(編集部注:東京エレクトロン、大日本スクリーン製造などが代表的)については、受注や株価が相対的に底堅く推移する可能性がある。一方で、後工程装置が主体の企業(編集部注:ディスコ、アドバンテストなどが代表的)は、年内は厳しい状況が続きそうだ。

 薄型ディスプレー(FPD)製造装置については、供給先であるテレビ市場に回復の兆しがまったく見えてこない状況だ。日本製FPD製造装置のBBレシオが11月の0.22から12月は0.4まで回復したとはいえ、相当低い水準であることに変わりはない。これで底入れと見なすのは早計だろう。回復の兆しが出るのは、早くても年末あたりと見ている。

(構成:小谷 真幸)

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