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太平洋に広がる津波がれき

生態系に打撃、環境汚染の恐れ

2012年2月7日(火)

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 東日本大震災で出た膨大ながれきの1割強が、津波に引き込まれて太平洋に流れ出した。これが海流に乗り風に流されて太平洋を漂流している。これから各地の海岸に漂着して、さまざまな国際問題を引き起こしそうだ。地震直後には太平洋の島々、北米、南極にまで津波の影響がおよんだが、代わってがれきになり、さらにその後を追って原発事故による放射能の海洋汚染が太平洋中に拡散しつつある。巨大地震の影響はまだまだつづく。

300万tの津波がれき

 国立環境研究所などは、東日本大震災で発生したがれき約2500万トンのうち、約300万トンが津波に運ばれて太平洋に流出したと推定している。10トン積みの大型ダンプカーにして30万台分である。

 津波がれきは予想以上の速度で漂流しているようだ。2011年5月には海上保安庁の巡視船が宮城県石巻市の南約46キロメートル沖合でボートやブイなどの漂流物を確認した。9月下旬には東北地方から約3100キロメートル離れたミッドウェー環礁付近で、ロシア船が漂流物の巨大な塊を発見した。ホノルルからウラジオストクへの帰港途中だった。

 乗組員によると、洗面台、ドラム缶、ブイ、漁網、冷蔵庫などとともに「福島」の表示が入った小型釣り船が浮かんでいたことから、津波がれきと判明した。

 米海洋大気局(NOAA)は、大量のがれきがハワイや米本土に接近すれば、生態系や観光業への打撃になるとともに船舶運航の障害になり、さらに放射性物質を含んだがれきによる環境汚染も起きかねないと不安を募らせている。

 日米両政府は、これらのがれきによる海洋汚染や米国漂着時の処理をめぐり、近く本格的な協議に開始する。日本政府は漂流がれきの位置や量や今後の動きを人工衛星などで観測・予測するため、約7000万円を2011年度第3次補正予算に計上している。

今後数年間で太平洋各地の海岸に漂着

 ハワイ大学国際太平洋研究センター(IPRC)の研究グループは、海流や風向き、これまでに観測したスニーカーの移動(後述)、海に流した観測用ブイの動きなどをもとにコンピューター・モデルをつくって、がれきの行方を追跡している。

 それによると、漂流がれきはこれから「北太平洋旋廻」として知られる太平洋を大きく旋回する渦に乗って、太平洋を移動する。北太平洋旋廻とは、太平洋の赤道と北緯50度の間の3400万平方キロメートルほどの海域で、時計回りに大きく回っている巨大な渦である。この渦には4つの主な海流が関係する。北へ向かう北太平洋海流、東へ向かうカリフォルニア海流、南へ向かう北赤道海流、および西へ向かう黒潮である。

 漂流がれきの第一波は、地震発生から1年以内にハワイの海岸に流れ着く。つまり、いつ漂着してもおかしくない状況だ。そのままゆっくり移動し、2014年3月ごろには、北米西海岸のカナダのブリティシュ・コロンビア州、米国のオレゴン州、ワシントン州、カリフォルニア州、さらにメキシコへ達すると予測する。沖縄から漂流ブイを流した実験では、8カ月で米国の西海岸に達した例があり、もっと早く到達するものもでるかもしれない。

 その後、向きを変えてふたたびハワイに向かい16年3月ごろにはふたたびハワイ諸島に達するとみられる。IPRCの研究者らは「ふたたびハワイに戻ってくる第二波は、がれきの量や密度が高まり、ハワイのビーチやサンゴ礁に害を及ぼす可能性がある」と心配する。さらにアジアに向かい、今後数年間で太平洋各地の海岸に漂着するとみられる(図参照)。

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