「Movers & Shakers」

「業績崩壊」でも「株価堅調」のナゾ

外国人買いで株価上向きか

  • 阿部 貴浩

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2012年2月6日(月)

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 パナソニック7800億円、ソニー2200億円、シャープが2900億円。日本を代表する家電3社が2012年3月期に、そろって巨額の最終赤字を計上することになった。超円高や価格競争の激しいテレビ事業の採算悪化、そして大震災やタイ洪水など天災による生産の遅れ。これらの悪条件が折り重なって襲い掛かり、ただでさえ脆弱だった電機大手の収益基盤を揺さぶった。

 電機大手だけではない。TDKやエルピーダメモリなどの電子部品・半導体、JFEホールディングスをはじめとする鉄鋼大手、さらに自動車ではマツダが、今期は最終赤字が避けられない見通しだ。取締役会議長に退くことを決めた、ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長CEOは「日本の電機産業は大きな問題を抱えている」と嘆く。

 みずほ証券リサーチ&コンサルティングが2月2日時点で、まとめた決算集計(対象社数500)では、12年3月期の東証1部上場企業(金融除く)の経常利益予想は、前期比19.9%の減少、最終損益は30.3%の減少になる見通しだ。従来予想はそれぞれ8.2%減、11.3%減で、決算発表が進むにつれて悪化が鮮明になっている。IT(情報技術)バブルが崩壊した2002年3月期や、リーマンショック後の2009年3月期に次ぐ厳しい決算になりそうだ。

株式市場の反応は冷静

 しかし、この惨憺たる発表を受けても株式市場は冷静だ。例えば2月1日に2900億円の赤字転落を発表したシャープ株は、翌日にこそ16%の大幅な下落となったが、3日は下げ渋り、午後にかけて上昇に転じた。ソニーも決算の翌日に反発している。業績予想を変更しなかった日立製作所にいたっては、「勝ち組」(国内証券)と評価され、発表翌日の株価は8%上昇した。企業業績と株価の動きが、あまりにも連動していない。

 その理由として、まず考えられるのは、厳しい業績がすでに株価に織り込まれていたというものだ。日経平均株価が昨年来安値を付けたのは2011年11月25日の8160円。タイの洪水が生産に与える影響が、次第に分かってきたころだ。ソニーはタイの工場が水没し、デジタルカメラなどの減産を迫られている。この時期に、株価は1253円まで下げ、PBR(株価純資産倍率)は0.5倍程度と、解散価値と呼ばれる1倍を大きく下回る水準にあった。

 「テレビ事業の苦戦は分かっていた。ここまで大きな赤字とは思わなかったが、ある程度の業績悪化はこの時期に織り込んでいた」と立花証券の平野憲一・執行役員は話す。

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