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第2回 実は“2つの津波”が重なっていた

東北大学・津波工学研究室(2)

2012年2月28日(火)

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 2011年3月11日、日本の東北地方沖で発生したマグニチュード9の巨大地震による津波は、宮城県、岩手県、福島県の3県を中心に、東北地方、関東地方の太平洋岸に大きな被害をもたらした。場所によっては波高10メートル以上、遡上高40メートル以上を記録したというから、想像を絶する破格の津波だったといえる。

 では、それはどのようにして引き起こされたのだろうか。

 基本中の基本として……津波の原因となりうるものには、3つ代表的なものがあるそうだ。

今村文彦教授(写真:藤谷清美)

 「地震と火山と地滑りがよくある津波の原因です。津波は英語でもtsunamiと言いますが、もともとサイスミック・シー・ウェイブ(地震による海の波)だったんですね。1946年のアリューシャン地震のときに、ハワイが被害を受けました。その時の議論で、同じような波が、地滑りや火山噴火でも起きるのに、サイスミック(地震性)というのはどうか、というのがありまして。そこで日系の方が、日本で、実はtsunamiという言葉があって、これは地震でも、火山でも、地滑りでも、区別なく使われてきた、と紹介したのが始まりだそうです」

 と、tsunami(津波)という国際的に通じる名称の経緯とともに、津波の原因となりうる現象を教えていただいた。

 地震・火山・地滑りといった原因候補のうち、今回は明白に地震によるものだ。

 地震によって津波が発生するメカニズムについても色々な条件がある。

 まず、陸ではなく海で地震が起きなければならない。また、震源が深すぎると津波は起こりにくい。海底に直接の変動がなければならないからだ。被害をもたらすほどの津波を起こす地震の場合は、断層運動により海底が数メートル、時に数10メートルにわたって変動するそうだ。

 「東北地方や関東地方は、北アメリカプレートというものの上に乗っかっているのですが、その東側の海、ちょうど日本海溝の部分で太平洋プレートというのが、沈み込んでいるわけです。太平洋プレートが沈み込む際に、北アメリカプレートと接している部分も引きずられて沈み込むのですが、そこに溜まったひずみが限界に達した時に、解放がおき、断層という破壊運動が起きて、地震が発生するわけです。このタイプの地震(プレート境界型)ですと、沈み込んでいる部分が海底に近いので、海底も動きます。津波が発生する条件が揃っているんです。三陸沖地震や宮城県沖地震で、津波が起きやすい理由です」

 三陸沖地震や宮城県沖地震というのはよく耳にする有名な地震だが、個々の地震を指すというよりも、同じ場所、同じメカニズムで周期的に発生する地震のことを指している(特定の地震を指したいなら「明冶三陸沖地震」のように「いつ」の情報を付加した言い方になる)。

コメント1件コメント/レビュー

こんな映像を見ると、津波を防潮堤等で『食い止める』方法は金の無駄遣いと思える。 建物の耐震と免震の違いの様に、津波を止めるのでなく、『逃がす』事で津波のエネルギーを避ける方法は無いのだろうか。 津波研究者には是非ともお願いしたい。 別の報告では津波の高さが最大20mを超えていたというものもあり、あの強大なエネルギーを吸収する構造は、住宅等を高台に移転するにしても必要。 海辺の並木も松では根が浅く津波で流されてしまうので、根を深く張る常緑広葉樹が適していて、エネルギーを弱める働きもコンクリートのブロックより効果が大きい、という報告もある。 今後数十年間は同程度以上の規模の津波は来ないかも知れないが、対策は早く始めた方が良い。 対策を効果的に行う為の法整備も必要と思う。 『国土保全』は個人の地権に優先させる事も重要。 現在高台への移転で、土地を無償適用している地主も入れば、値上がり期待で売り惜しんでいる地主もいるという。 人々の不幸をネタに一儲けしようとする土地の値付けや暗躍を許してはならない。 日本は地震や台風、津波、火山爆発等の自然災害が先進国の中でも突出して多い。 これは日本の弱点であるが、法整備や災害対策研究が進めば、強みに変ずる事も出来る。 忘れない内に全力で取り組んで欲しいものだ。(2012/02/28)

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「第2回 実は“2つの津波”が重なっていた」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

こんな映像を見ると、津波を防潮堤等で『食い止める』方法は金の無駄遣いと思える。 建物の耐震と免震の違いの様に、津波を止めるのでなく、『逃がす』事で津波のエネルギーを避ける方法は無いのだろうか。 津波研究者には是非ともお願いしたい。 別の報告では津波の高さが最大20mを超えていたというものもあり、あの強大なエネルギーを吸収する構造は、住宅等を高台に移転するにしても必要。 海辺の並木も松では根が浅く津波で流されてしまうので、根を深く張る常緑広葉樹が適していて、エネルギーを弱める働きもコンクリートのブロックより効果が大きい、という報告もある。 今後数十年間は同程度以上の規模の津波は来ないかも知れないが、対策は早く始めた方が良い。 対策を効果的に行う為の法整備も必要と思う。 『国土保全』は個人の地権に優先させる事も重要。 現在高台への移転で、土地を無償適用している地主も入れば、値上がり期待で売り惜しんでいる地主もいるという。 人々の不幸をネタに一儲けしようとする土地の値付けや暗躍を許してはならない。 日本は地震や台風、津波、火山爆発等の自然災害が先進国の中でも突出して多い。 これは日本の弱点であるが、法整備や災害対策研究が進めば、強みに変ずる事も出来る。 忘れない内に全力で取り組んで欲しいものだ。(2012/02/28)

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