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第3回 これだけある“都市を襲う津波”の脅威

東北大学・津波工学研究室(3)

2012年3月5日(月)

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 前回は、津波発生のメカニズムや、破壊力を増した要素を、どちらかといえば、基礎科学、理学よりの方向から説明していただいた。

 ところが、津波が陸地に到達した時点から、純粋なサイエンスというよりも、応用科学や工学の言葉で語るテーマが多くなる。実際に、被害が出るのだし、防災のためには様々な工学的発想が要求されるわけなので、当然だ。

 今回の津波は、やはり特別な事情があり、防災やそのための工学にかかわる知見を、多くもたらした。

 「近代都市を襲う津波というのは、我々にとって、人類にとって、まったく新しい状況だったんです。もちろんインドネシアのスマトラ島でも都市が被害を受けたし、海沿いのリゾート地がやられたことはこれまでにもあります。でもこれだけの規模の都市がいくつも被害を受けたことはまったくはじめてのことでした」

今村文彦教授(写真=藤谷清美)

 今村さんが、「都市を襲う津波」というテーマで、挙げた論点は3つ。

 建築物に関すること。自動車・船などをはじめとする漂流物の問題。そして、火災、だ。

 それらについて、それぞれ総括してもらうと、こんなふうになる。

 まず建築物は意外に丈夫だったらしい。

 「1978年(宮城県沖地震)頃から耐震基準が上がってきまして。大体目安として鉄筋鉄骨コンクリート造の建物の3階以上だと揺れに対する耐震基準をクリアしていれば、津波に対してもおおむね大丈夫と分かりました。今回、例外的にコンクリートの建物が被害を受けたところがありまして、それは岩手県の女川なんですけども、あれはどうも地面が液状化して、基礎がだめになって、地面の上に建物が乗っかってるだけの状況になっていたようです。そこに10メーター級の津波が来て、ごろんとひっくり返って100メートル以上も流されたと」

 地面が液状化した状態で津波を受けてしまうとさすがに被害を受けるというのはともかく、3階建て以上の建物が基本的には津波に耐えた、というのは大きな事実であり、今後にも役立つ情報だ。

 もっとも、建物が耐えるが故に、逆に厳しい状況が引き起こされることがある。

 「津波が来たときに建物はなんとか耐えます。すると津波の水は、建物と建物の間を通過します。そうすると、そこに津波のエネルギーが集中して、加速してしまうんです。さらにそこに、車があったり、船が流されてきたり、ほかにも様々な漂流物があるので、そういったものがぶつかって破壊が進んでしまうんですね」

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「第3回 これだけある“都市を襲う津波”の脅威」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師