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第4回 車は危険! すぐに高台かビルの上階へ

東北大学・津波工学研究室(4)

2012年3月6日(火)

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 ぼくはかつてテレビ局の報道記者をしていたことがあり、国内外の地震や火山噴火など、自然災害の現場に派遣されることがよくあった。災害で亡くなった方や遺族に対して、取材者として相対する時、本当になんとも言えない悔しさ、無念さ、不条理さを感じたことは忘れられない。

 おそらくこれは、巨大な自然災害の現場に足を踏み入れたことがある人なら、誰でも感じることではないだろうか。今村さんが、防災にかかわる津波工学を志した原点にも似た感覚があったようだ。

今村文彦教授(写真=藤谷清美)

 「大学4年生のときに、秋田で日本海中部地震津波がありました。わたしは土木工学の研究室にいましたので、災害現地調査に連れていってもらいまして、現場でものすごい状況を目の当たりにしたんです。まだ、ご遺体の捜索をされていて、あのような形で人命が失われることがいかに悲劇であるか痛感しました。津波研究をしたいと思った原点です。人間は必ず亡くなるわけですが、大災害においてはあまりに突然です。将来への希望ですとか、考えていたことが、いきなり、失われる。一番悲惨なのは、やっぱり家族で、一部残って、一部亡くなってしまって、今までのつながりが完全に途絶えてしまって……そして、生きのびた側には、ああしていれば、こうしていればと悔いばかり残ってしまう。その後悔は、家族だけでなく、地域にも残る……その悲劇や悔い。そういったものを少しでも無くしたいというのが一番ですね」

 だから、今村さんをはじめ、日本の津波研究者はこれまでも多くの研究を積み重ねて、政策の提言を行い、防災知識の普及にも努めてきた。

 今回の津波は本当に多くの犠牲者を出したけれど、やはり、研究者として深く考察し、将来の津波の被害を軽減するための努力をしなければならない。

 では、どのような条件の下で被害が多く出て、どのような場合は被害が出なかったのか。そこのところを、まず見ておかねばならないだろう。

 この点につき、今村さんは、現状の研究の状況を「定量的なところはまだまだなんですけれども、定性的には整理がついています」と述べた。

 どんな傾向の場所、状況で被害が起き、どんな場所、状況で被害が起きにくかったか、その起きやすさと起きにくさについて数値化して示すところまでは行っていないが、大体の目星はついている、という段階か。

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「第4回 車は危険! すぐに高台かビルの上階へ」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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