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“ディズニーマジック”は震災を克服した

オリエンタルランド、過去最高益の秘密

2012年2月27日(月)

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 2月14日、日銀が予想外の追加金融緩和政策を行ったことで株式市場の流れは一変した。白川方明総裁から贈られた「バレンタインプレゼント」は、予想以上の威力を発揮している。昨年夏からの歴史的な超円高が後退し、円相場は先週、7カ月ぶりに1ドル=80円台と円安に動いた。これを受けて企業業績悪化の懸念は薄れ、株式市場では輸出関連株を中心に株価が大幅続伸。日経平均株価も9500円台まで回復した。今や世界のマーケットは日米欧の金融緩和政策の影響でカネ余り状態にある。投資家の物色意欲は円安の追い風を受けた外需関連株に向かっている。

 円安・株高となれば通常、内需株や食品株といった「ディフェンシブ銘柄」の動きは鈍くなりがちだが、着々と上昇を続けている銘柄がある。東京ディズニーリゾート運営などを手がけるオリエンタルランドだ。オリエンタルランドの株価は2003年につけたバブル崩壊後の最安値以降、6500円から7500円前後を行ったり来たりする動きを繰り返して「ボックス圏」を形成していた。しかし金融緩和発表を受けた2月15日に昨年来高値の8580円をつけている。10年近く続いたボックス圏を抜けたことが投資家の注目を集めている。

 もっとも、株価は東日本大震災前にも好業績を受けて8320円を付けていたが、震災を機に事態が急変。震災後約1カ月間もの長期休業に追い込まれたため、株価は6000円まで急落した。休園に加えてほぼ閑古鳥状態となった第1四半期(4~6月)の落ち込みをいかに補うかが投資家の関心となっていたが、ふたを開ければ大幅増益。2月3日に発表された2012年3月期第3四半期決算で2012年3月期の予想連結営業利益は過去最高の617億円と、中間決算時点から上方修正された。とりわけ、第3四半期(10~12月)の営業利益が大幅に増加したとされる。株価上昇が本格化したのはこの頃からだ。

1人当たり売上高が急上昇

 震災というピンチを乗り越え、急回復を遂げた秘密はどこにあるのだろうか。1996年の上場以来、オリエンタルランドの業績動向をウォッチしているSMBCフレンド調査センターの田中俊アナリストは「来園者1人当たりの売上高増加が一番の要因」と分析する。

ディズニーシーで人気者のダッフィー。ぬいぐるみは一時期入手困難になった。

 これまで、入園料やパーク内での飲食代を別にした、お土産やグッズなどに来園者1人当たりが使うお金は平均3300円程度だった。しかし2011年3月期は3629円、2012年3月期は3770円(いずれも会社発表の数字)の見込みだ。上昇の理由はオリエンタルランドが売り出したキャラクター「ダッフィー」にあるという。

 ダッフィーとは、東京ディズニーシーに登場する熊のぬいぐるみをモチーフにしたキャラクターである。船に乗って旅に出るミッキーが寂しくないようにミニーが作ってミッキーに持たせたテディベアと言われている。もともと「ディズニーベア」という名前で米国のディズニーランドなどで展開されたこともあったが、東京ディズニーシーが本格展開したことで人気に火が付いた。2008年の東京ディズニーリゾート25周年企画をきっかけに一気に知名度が上がり、鞄などにダッフィーのぬいぐるみを付けて持ち歩く若い女性が急増した。一時はぬいぐるみが品薄状態になったこともある。

 現在ダッフィーはお友達のシェリーメイとともに、ミッキーマウスをしのぐ人気者となっている。ダッフィー効果に加えて2011年度は東京ディズニーシー開園10周年イベントグッズも売り上げ増に貢献した。1人当たり売上高が昨年度の3629円から3770円に微増した原因はここにある。

コメント1件コメント/レビュー

(オリ社の話とはそれますが)年間パスポートを保有している地元の者です。震災後のTDRは、それは別世界でした。直後の頃は人気のアトラクションも待ち時間はほとんどゼロ。客よりスタッフの方が多いのではないかと思うくらいガラガラで、素人目からも赤字で苦しんでいるだろうと思ったものでした。■このガラガラはかなりの期間続きました。書き入れ時であるはずの夏休みですら、近年にない空き具合でした。■しかしある日突然、そのガラガラが解消しました。その日の混雑は夏休みの比ではありませんでした。TDRに通い慣れているはずの私が前週までとの混雑の違いに右往左往するばかりで、結局その日はアトラクションには1つも乗れませんでした。この日以来打って変わり、例年よりかなり混雑がひどい状況です。■その日とは、2011年9月10日。東京圏の節電規制が解除された翌日の土曜日でした。節電規制により、どれだけ人々が自粛への自律的強迫観念に駆られていたか。電力不足がどれだけ経済に悪影響を及ぼしたかを感じる出来事でした。(2012/02/27)

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「“ディズニーマジック”は震災を克服した」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

(オリ社の話とはそれますが)年間パスポートを保有している地元の者です。震災後のTDRは、それは別世界でした。直後の頃は人気のアトラクションも待ち時間はほとんどゼロ。客よりスタッフの方が多いのではないかと思うくらいガラガラで、素人目からも赤字で苦しんでいるだろうと思ったものでした。■このガラガラはかなりの期間続きました。書き入れ時であるはずの夏休みですら、近年にない空き具合でした。■しかしある日突然、そのガラガラが解消しました。その日の混雑は夏休みの比ではありませんでした。TDRに通い慣れているはずの私が前週までとの混雑の違いに右往左往するばかりで、結局その日はアトラクションには1つも乗れませんでした。この日以来打って変わり、例年よりかなり混雑がひどい状況です。■その日とは、2011年9月10日。東京圏の節電規制が解除された翌日の土曜日でした。節電規制により、どれだけ人々が自粛への自律的強迫観念に駆られていたか。電力不足がどれだけ経済に悪影響を及ぼしたかを感じる出来事でした。(2012/02/27)

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