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インフルエンザ研究をめぐる研究者とテロ専門家の戦い

ますます悩ましくなる「病原体の研究とテロの関係」

2012年2月28日(火)

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 今シーズンのインフルエンザの流行は、ようやく峠を越えたようだ。患者数は一時、200万人を超え、過去10年間で2番目の大流行になった。この流行とタイミングを合わせるように「インフルエンザの研究がバイオテロの脅威を増大させるのではないか」とする懸念が米国政府から提起され、日欧の研究にストップがかかった。「流行の予防」か「テロの防止」か、という新たな議論が沸騰している。

万能ではなかったインフルエンザ・ワクチン

 インフルエンザ・ウイルスはA、B、Cの三つの型があるが、大きな流行を引き起こすのはAとBの二つだ。今回は「A香港型」が9割を占め、B型は9%。A香港型は、乳幼児には脳症、高齢者は細菌感染による肺炎を引き起こし、重症化するケースが多いといわれる。

 毎年6月ごろに、その年に流行するインフルエンザのタイプを予測して、それに適合したワクチンが生産される。今季の予想はA香港型であり、この型に対応するワクチンがつくられて多くの人びとに接種された。

 ところが、全員が接種された病院職員や老人ホーム入居者の間で集団感染が次々に発生して、ワクチンがほとんど効いていないという声が現場で高まっている。ワクチンで予防できるウイルスの抗原と、実際の流行しているウイルスが異なっている疑いもある。

 権威ある医学誌「ランセット(感染症版)」には、ワクチンが万能ではないとする論説が掲載された。インフルエンザのワクチンに関する5700という膨大な数の研究論文を審査した結果、ワクチンが「健康な成人においては中程度の効果があることを示す証拠があったが、発症のリスクの高い65歳以上や子どもに対して予防効果がある確証はなかった」という。これだけ人類を苦しめつづけてきた伝染病にもかかわらず、インフルエンザは科学的に未解明な点が多い。

 昨年9月、地中海のマルタで開かれたインフルエンザの専門家会合で、オランダ・エラスムス医療センターの研究チームが、遺伝子操作で哺乳類に感染しやすいウイルスをつくったと発表した。

 鳥インフルエンザの原因となるH5N1ウイルスの遺伝子を5カ所で変異させたら、フェレット(動物実験やペットとして飼われるイタチ科の動物)に容易に感染するようになったという内容だ。しかも、その5カ所の変異はそれぞれ別々にではあるが、すでに自然界には存在していることも突きとめた。

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