「日本初! ソーシャルメディアを売り上げにつなげる企業ランキング」

商品の良さ伝わってない…絶句、そして戦略転換した「ラッシュ」

好感・共感を効率よく消費行動に導く企業の知られざる過去

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2012年2月29日(水)

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日経デジタルマーケティングはこのほど「ソーシャル活用売上ランキング」をまとめた。このコラムでは、上位にランクインした企業がいかにソーシャルメディアを活用しながら購買に結び付けているかを紹介していく。良品計画の店舗誘導策を紹介した第1回「無印良品はなぜソーシャルメディアで儲けられる?」、全日本空輸のキャンペーンを紹介した第2回「B787とソーシャル絡めて売上増の全日空秘話」に続いて、第3回は、好感・共感を売り上げに結び付ける、化粧品の英ラッシュについて。

 広告宣伝一切なし、マーケティング部門もない。何より、目の前にいる顧客の声を聞いて製品開発することを重視する。音楽や旅、人々の出会いを通じて得られたインスピレーションをそのまま商品で表現する−−。

 化粧品の製造小売り(SPA)、英ラッシュはこんな独特の経営戦略を取っている。49の国と地域に拠点を持つグローバルカンパニーに成長した今でも、創業者のマーク・コンスタンティン氏が掲げる強い信念が、企業文化を形作っていることに変化はない。「ソーシャル活用売上ランキング」でもその個性が光った。

ラッシュジャパンの店頭。どれも商品名はユニークだ
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 ラッシュジャパンの「総合スコア(偏差値)」は53.3で総合順位は33位。際立って高いというわけではない。ただ特筆すべきは、同社のソーシャルメディア上の情報を見聞きすることによって好感・共感を覚えた人が、購買という実際の消費行動を起こす割合が、ランキング化した100企業・ブランドのうち最も高いことだ。

 企業のソーシャルメディア活用は、ファンとの交流の場として好感・共感を得てもらうことを狙いに掲げる企業が少なくない。まさにそれを体現するのがラッシュジャパンということになる。

 ランキングのベースとなった、約1万5000人に及ぶ消費者アンケートでは、「好感を持った」と答えた人のうち52.2%が消費行動を起こしたと回答している。消費行動とは「購入や利用の候補に加えた」「購入・利用した」「繰り返し購入・利用するようになった」という3項目のいずれかを指す。

好感・共感を得て消費行動が5割超となった唯一の会社

 同じく「共感した」人の53.8%が消費行動を起こした。好感・共感と消費行動にまつわる2つ数字で共に50%を超えたのは、ラッシュジャパンだけである。

 同社の戦略を見ていくと、こうした結果は広告宣伝費ゼロという“逆境”の結果として生まれたものだと気付かされる。

 ラッシュジャパンのソーシャルメディア活用のキーワードは「接客」だ。フレッシュな果物や野菜などを原材料に、石けん、「バスボム」と呼ぶいわゆる入浴剤、化粧品など、ラッシュはすべての製品を手作りする。化粧品としては原材料費が高く、しかも手作りにこだわるから、おのずと製造コストは高くなる。

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著者プロフィール

杉本 昭彦(すぎもと・あきひこ)

日経デジタルマーケティング副編集長。「日経ネットナビ」(1996年〜2004年)、日本経済新聞社編集局産業部(2005年〜2007年)などでインターネット業界の取材を長年続け、2007年の「日経ネットマーケティング」(現日経デジタルマーケティング)創刊時より現職。執筆、編集活動に加えて、本誌公式Facebook、Twitterを担当して、実践の日々。



このコラムについて

日本初! ソーシャルメディアを売り上げにつなげる企業ランキング

「日経デジタルマーケティング」がこのほど初めて実施した、ソーシャルメディアの活用度と消費者行動の変化の相関関係を指数化したランキングを、同誌の専門記者が解説する。フェイスブックのファン数やツイッターのフォロワー数などを元に絞り込んだ企業を対象に、そうしたメディアでの消費者へのアプローチがどのように売り上げに結びついているのかを見ていく。

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