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原発再稼働に向け政府が乗り越えるべき「三つの壁」

国民は原子力行政が「いつか来た道」を走ることを恐れている

2012年3月2日(金)

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 筆者は、東京電力福島第1原発事故を受け、内閣官房参与として2011年3月29日から9月2日まで、官邸において事故対策に取り組んだ。そこで、原発事故の想像を超えた深刻さと原子力行政の無力とも呼ぶべき現実を目の当たりにし、真の原発危機はこれから始まるとの思いを強くする。これから我が国がいかなる危機に直面するか、その危機に対して政府はどう処するべきか、この連載では田坂広志氏がインタビューに答える形で読者の疑問に答えていく。シリーズの2回目。

―― 現在、定期検査で停止中の関西電力大飯原子力発電所3,4号機の再稼働の問題が注目されています。この再稼働について、田坂さんは、どう考えられますか?

田坂:福島原発事故の後の原発再稼働については、新著『官邸から見た原発事故の真実』(光文社新書)において、玄海原発の再稼働の問題を論じましたが、大飯原発についても、申し上げるべきことは同じです。

 すなわち、再稼働において最も大切なことは、「それで、国民が納得するか」ということです。

 そもそも、現在、原発の再稼働については、

(1) 電力会社がストレステストの1次評価を行い、再稼働の申請をする
(2) ストレステスト意見聴取会で専門家による意見聴取がなされる
(3) この専門家の意見を参考にして原子力安全・保安院が安全性を審査する
(4) 原子力安全・保安院の安全性審査結果を受け、原子力安全委員会がこれを確認する
(5) 地元の自治体が再稼働に同意し、受け入れる
(6) 政府の四大臣で協議して当該原発の再稼働の可否を最終判断する

という手続きで進められています。

「ストレステスト」と「原子力安全委員会」の手続き追加で、国民は納得するか

 この手続きは、基本的に従来の原発再稼働において定められてきた手続きですが、福島原発事故を受け、国民の安心と納得を得るために、政府が暫定的に次の三つの手続きを付け加えたものです。

 第一は、新たに「ストレステスト」を導入することであり、第二は、「原子力安全委員会」が安全性の確認をすることであり、第三は、総理大臣、官房長官、経産大臣、原子力行政担当大臣の「四大臣の協議」によって最終判断をすることです。

 すなわち、これらの再稼働に向けての手続きは、あくまでも「暫定的」なものであり、福島原発事故を踏まえて、再稼働の手続きそのものを「抜本的」に見直したものではありません。従って、今回の再稼働の問題は、「その暫定的な手続きで、はたして国民が納得するのか」ということです。

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「原発再稼働に向け政府が乗り越えるべき「三つの壁」」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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