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パイプダクトに潜む「ニッポン改新」の種

その3「雇用問題?内需縮小?丸ごとサービス産業が引き受けます」

2012年3月7日(水)

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 これまで、2回にわたってお送りしてきた、サービスの達人と日経ビジネスオンラインの連載「究極のサービス~震災に負けない人々」の著者、内藤耕氏による座談会(日時・2月16日、場所・湯主一條)もいよいよ最終回。初回は東日本大震災後の危機感が薄れたことで改革の手綱が緩むことに厳しいご意見が出されました。前回は、足元の危機をチャンスに代える極意を存分に語っていただきました。「ニッポンの改新」には何が必要なのか。「内需縮小」という常識に真っ向挑む、サービス業による日本の成長戦略がいま明らかになります。

緊急座談会出席者

中畠信一・喜久屋社長(東京、クリーニングチェーン)
原田英明・デリコム社長(仙台、自販機オペレーター)
一條達也・湯主一條社長(宮城県白石市、温泉旅館)
内藤耕・産業総合技術研究所・副センター長

(聞き手は、飯村かおり=日経ビジネスオンライン編集長)

―― さきほど震災を経験して2050年の事業モデルのシミュレーションができたというお話がありました。よく耳にするのは「少子高齢化で人口が減少し、地方では過疎化が進むとなると、新しいニーズに応えるサービス産業の成長なくして日本は立ち行かない。そして、そこで培った課題先進国・日本のクオリティーの高いサービスは海外向けに売り物になる」という“常識”です。

 ところが現実には民も官も過去の成功体験を捨て切れず、成長分野に踏み出すこともできずに前例を繰り返している。そんな閉塞感や内需縮小の限界を打ち破ろうと、日本企業の多くは、とりわけアジアの中間層に熱い視線を注いでいます。

 これが昨今の情勢ですが、皆さんが日本でもサービスがもっと成長できることを実践されていることがよく分かりました。日本のサービス産業の将来性についてどう考えているのか、お聞かせください。

日本のサービスクオリティーは低い

内藤:私はむしろ日本のサービスクオリティーは低いと考えています。高ければこういう惨憺たる状態になっていないわけだから。そしてそう考えた方が打てる手は多いと理解すべきでしょう。

内藤 耕氏。独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センター副センター長。サービス業を中心に全国を取材し、現在、日経ビジネスオンラインで「逆転思考で勝つカイシャ」を連載中。

 もう1つ、内需がダメだからと海外に飛び出すというのはどうでしょうか。日経ビジネスオンラインのコラム(記者の眼「やはりホンモノだった中国のインフレ」)にも、中国ではインフレが加速しており、生産人口もあと数年でピークアウトすると書かれています。売れ残ったマンションを安売りしたら、住人が大騒ぎしていると。我々がバブル崩壊で経験したことが起こってるわけです。海外の可能性について相談を受けると、今アジアに出るのは最後のババを引きに行くことになるから基本的にはやめたほうがいいと申し上げています。

 今、やるべきは、人口減少や高齢化,小商圏化する社会でビジネスを再構築することです。介護、医療、健康サービスだけじゃなくて、流通、飲食、観光も含めたすべての産業セクターが変わる必要がある。まず日本で足元を固めてからアジアに出ていけば、どの国も経験してないビジネスモデルで勝ち馬に乗れる。そう強く感じます。

―― まさに原田さんは震災を契機に新たなビジネスモデルを発見して、大転換を図ったわけですね。一條さんは内需という可能性をどうとらえていますか。

ポジショニングを作らないと旅館に明日はない

一條:我々は装置産業ですからここから出ることができません。業界の現状でいえばあまりにも旅館と客室が増え過ぎて過当競争にさらされています。

一條達也・湯主一條社長。宮城県白石市の鎌先温泉で600年の歴史を持つ老舗旅館で20代目の当主。

 私どもがやっているのはお客様を個人に絞り込むことです。そのために、うちはこういう宿だからこの価格帯ですということを、これまでの歴史を踏まえたストーリーと場を作って伝えています。だから、10人、20人と団体でお越しになっても、おもてなしできませんと、ちゃんと言わなければいけない。立地もよくエレベーターもお風呂も大きい旅館が団体を受け入れればお客様を取り合わなくていいですよね。自分のポジショニングを作ることが先決です。そうしなければ、これから旅館の跡継ぎになる人たちに、明日はないですね。もっと厳しい世の中が待っていますから。大型旅館は本当に大変です。

―― 今のお話は小商圏に対応する典型的な考え方ですね。

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