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その1:重慶市の王立軍事件と薄熙来の巻

毛沢東回帰を押さえ込む政変

2012年3月5日(月)

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 中国の北京市で今日3月5日、日本の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が開催される。胡錦濤政権が取り仕切る最後の会議だ。1年後の今日は、次期政権の国家主席がこの全人代で選出される。国家主席の前提となる中国共産党中央委員会総書記のポストは、今年の秋に開かれる第18回党大会で決定される。

 そのポストに就くのは現政権で国家副主席を務める習近平氏と目されている。だが、政権の移行に向けて今、中国の権力中枢では何が起きているのか?

 中国は中国共産党が指導する国だと言われている。中枢に座っているのは「中国共産党中央委員会政治局常務委員」という「9人」の男たちだ。私はこの「中国を動かす9人の男たち」を「チャイナ・ナイン」(※1)と名付けている。そこには外からは見えない「ブラックボックス」の世界があり、時には協力し合い、時には激しい論争や権力闘争を展開しながら中国の方向性を決めていく。

 筆者は中国で生まれ育ち、現在の中国すなわち中華人民共和国(新中国とも言う)が誕生する革命戦争を経験した。また中国政府のシンクタンクである中国社会科学院社会学研究所の客員教授として、あるいは中国政府そのものである国務院にある西部開発弁公室人材開発法規組の人材開発顧問として「中枢」の周りで仕事 をしてきた。この連載では、これらの経験に基づいて、中国政局の現状と次期政権成立への道及びその周辺事情を追ってみたい。

その1:重慶市の王立軍事件と薄熙来(はく・きらい)の巻

 2012年2月6日、あるニュースが中国全土をアッと驚かせた。中国共産党重慶市委員会書記(中国共産党では書記がトップ)である薄熙来(はく・きらい)の右腕として敏腕を振るっていた王立軍(副市長・公安局長・公安局党委員会書記)が、四川省成都市にあるアメリカ領事館に逃げ込んだのだ。共産党の幹部がこともあろうにアメリカ大使館に逃げ込むなどということは、中華人民共和国の建国以来なかったことだ。

 しかも重慶市は、薄熙来の強烈な指揮によって「唱紅(ツァン・ホン)」(毛沢東時代の革命歌を歌おう)運動を展開して、毛沢東回帰型の市運営を特色としている直轄市。その副市長であり、公安局長でもある共産党幹部がアメリカ領事館に逃げ込んだという構図はあまりにアンバランスだ。

 文化大革命(1966年~76年)(文革)中の1971年に起きた林彪(りんぴょう)クーデターを想起させて、5億を超える網民(ネット市民、ネットユーザー)は沸き立った。文革時代、やはり毛沢東の右腕であった林彪は、毛沢東に反乱を起こそうとして失敗。飛行機で逃亡する途中、モンゴル上空で空中爆発し死亡している。彼は当時の文革推進派の中心的人物だった。

 今、薄熙来率いる「毛沢東回帰型」の重慶市の重鎮である党幹部が、今となっては「敵国」ではないにせよ、アメリカ領事館に逃げるとは――。

 いったい、いかなる政変が起きたのか――。

※1:「チャイナ・ナイン」の内幕に関しては3月16日に朝日新聞出版が出版する『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』を参照していただければ幸いである。

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「その1:重慶市の王立軍事件と薄熙来の巻」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長