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「日銀買い」が抑える金利上昇

低金利は財政の持続性を意味しない

2012年3月5日(月)

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 2月14日、日銀が市場の意表をついて追加の金融緩和策を発表した。当面は1%とする「中長期的な物価安定のめど」に関心が集まりがちで、円安や株高の主因とも目される。だが、こと国債(すなわち金利)市場への影響が大きいのは、金融緩和の実働部隊たる資産買入基金の10兆円の増額だ。

 時は少し流れて、2月27日。日銀は追加の金融緩和以降、2回目となる基金による長期国債の買い入れオペを実施した。

 「全銘柄が対象か」。ある大手証券の債券ストラテジストはトレーディング担当からの報告を受け、つぶやいた。細かい回号は省くが、日銀は満期までの期間が1年以上2年以下の銘柄すべてを買い入れの対象としたのだ。1年以上2年以下というのは基金の買い入れルールそのものだ。

日銀の基金、月1.4兆円ペースで国債を購入

 金緩緩和の拡大を受けて基金の買い入れ規模は55兆円から65兆円に積み増されたが、増額分の全てが長期国債の購入に振り向けられている。これまで9兆円だったのが、19兆円と倍以上に増えた。しかも期限は今年の年末まで。下のグラフにある通り、これから年末まで毎月1.4兆円ペースで買い入れなければ届かない。日銀は基金以外にも長期国債を買い入れており(1月末の残高は64兆円)、債券市場への影響力は大きくなっている。

 結果、足元では残存期間2年の国債利回りは0.11%前後しかない。これは銀行が日銀に預ける「当座預金」に付く利息(0.1%)とほとんど変わらない。債券の需給が余りにも引き締まった結果、極端に言えば利息がつかない現金と大差ないような金利水準になっている訳だ。

 もちろん、購入対象は残存期間が2年までの国債だから、基金の買いが直接的に長期金利を押し下げる(債券価格を上げる)効果は限られる。しかし、「債券市場の参加者は消費者物価が1%まで上昇するのは相当先と見て、期間の長い債券へと乗り換えつつある」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)。この波及効果が長期金利の1%割れにつながっている。

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「「日銀買い」が抑える金利上昇」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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