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 「また、通貨危機に陥るのではないか」――。こんな恐れが韓国で密やかに広がる。外貨の稼ぎ頭である貿易黒字が消滅し始めたからだ。

14年で3回の経済危機

 韓国のエコノミストが今、不安げに見守っているのが貿易統計だ。韓国は1997年、2008年、2011年の3度に渡り通貨危機、あるいは“準危機”に陥った。いずれも貿易収支の黒字が急減したり、赤字化した時だった。

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 サムスン電子や現代自動車の快進撃からは想像しにくいが、韓国は国全体としてはまだ、おカネを外から借りて国内投資に回す債務国の段階に留まっている。

 外国の金融機関は韓国が貿易赤字に陥ると、外貨不足のためにおカネを返せなくなるのではないかと疑って、融資の繰り延べに消極的になる。つまり「外貨の貸しはがし」が起こる。

「IMF」がトラウマに

 1997年の危機は国際通貨基金(IMF)にドルを借りて債務不履行(デフォルト)をかろうじて回避した。見返りに厳しい緊縮政策を実行させられ、倒産は多発、失業率は跳ね上がった。韓国人は日本の併合に次ぐ「第二の国恥」と考え、IMFという単語はトラウマとなった。

 このため、2008年の危機ではIMFを避け米国に泣きついて、いざという時は外貨を貸してもらえる通貨スワップを結び、直ちにドルを借りた。それでも資本逃避が収まらなかったので、日本、中国にもスワップを結んで貰い破綻を回避した。

 韓国に緊張感が走ったのが2012年2月1日。この日に今年1月の貿易収支統計(通関ベース)が発表され、20億3300万ドル(確報値)と、24カ月ぶりの赤字を記録したことが明らかとなったからだ。原油価格の高騰で輸入額が膨らむ一方、実物経済の収縮が世界に広がり、船舶などの輸出が大幅に落ち込んだことが響いた。

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