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中国の悲しい流行語「PM2.5」

政府は対策を格上げするも即効なし

2012年3月7日(水)

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 「ピーエム・ニーテンゴ(PM2.5)」

 AKB48とか、SKE48とは似て非なる、人の健康にゆゆしい影響を与える超微粒子である。今の中国でこの言葉を知らない人はいない。2月29日開催の国務院常務会議の主要議題は、大気環境基準にPM2.5を新たに追加することだった。中国の首都・北京だけでなく、工業化と都市化に直面する中国の市民にとって、安全な空気と青い空は当たり前のものではなくなった。

米国大使館は敷地内で独自に測定

 「空気の汚い北京なんか行かないで上海においでよ!」

 この4月から本拠地を北京に移すと話す筆者に対して、上海に住む中国の知人はネット通信を通じてこうつぶやいた。北京の空気が汚染されていて、健康に悪いことは中国国内では常識といった話しぶりだった。

 PM2.5は、ディーゼル排気ガスなどから排出される直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子で、ぜんそくや気管支炎を引き起こすなど人の健康に重大な悪影響を及ぼす。

 飛行機で北京に向かった経験をお持ちなら、着陸に近づくにつれ、次第にスモッグにつつまれた大地の中に突入していくと実感された読者もきっと多いに違いない。北京の空気がきれいでないことは漠然とは皆が思っていることだ。しかし、中国の中央政府も地元の北京市政府も当然のことながら、中国の首都である北京の空気は汚染されていることを認めたがらない。

 ニューヨーク・タイムズのエリザベス・ローゼンタール記者は1997年から2003年まで北京に駐在したが、幼い子供は北京にいる間、ずっと喘息、気管支炎に悩まされ続けたと記事の中で紹介している。結局、その戦いが終わったのは北京を離れてからのことだった。

 黙って汚い空気を自国民に吸わせておいていいものか。米国大使館は、大使館の敷地内でPM2.5とオゾンを測定し、ツィッターで発信し始めた。中国国内で科学的かつ継続的にPM2.5を測定し、自国の環境基準に照らしてその危険度を公表している。画期的な行動である。

 昨年11月の測定では、1立方メートル当たり500マイクログラムを超えるPM2.5を検出したが、この数値はWHOの基準の20倍を超えるものだった。基準の枠外であったため“Crazy Bad”と表現して米国大使館が情報を発信したため、北京市民に一大センセーションが巻き起こった。北京市政府の公表する「軽度の汚染」との大きな格差に市民は大いに戸惑い、政府に対して厳しい目を向けた。

 しかしながら、北京の大気汚染に警告を発したのは外国人である米国大使館が初めてではない。心ある一般市民は「北京の大気は軽度の汚染状況」と公表する当局の情報を鵜呑みなどしていなかった。800万人がそのブログを見ているという著名な不動産業者である潘石屹は北京市の公表する大気の状況と実際の空気の汚染状況の差に疑問を感じ、昨年10月にブログに紹介したところ、各種メディアによって数千を超えて転載された。

北京を包んだスモッグで航空はマヒ

 報道によると、12月初めには北京はゆゆしいスモッグに覆われ、一部の市民はパニックと陥った。

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「中国の悲しい流行語「PM2.5」」の著者

青山 周

青山 周(あおやま・めぐり)

経団連中国事務所長

経団連事務局で地球環境・エネルギーグループ長、アジアグループ長などを歴任。2012年4月に中国事務所新設により初代所長に就任。中国上海の復旦大学に留学経験があり、中国と環境分野に強い。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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