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再建のカギ、路線の統廃合にすったもんだ

第1回 早朝から夕方まで、乗って、見て、分かった

2012年3月8日(木)

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 2010年12月に支援を決めた企業再生支援機構のもと、経営再建中の会津乗合自動車(通称・会津バス、福島県会津若松市)。東日本大震災の翌日、2011年3月12日からは、日本航空出身である福田正新社長の下による新体制に移行した。事業再生計画の中で最も優先度の高いものの1つが、路線別収支の改善だった。

 (Season1をご覧になりたい方は、第1回第2回第3回第4回をご覧ください)

路線図を手に統廃合の経緯を説明する会津若松市役所の目黒要一課長

 赤字のバスを走り続けさせる以外に、どうすれば交通弱者を切り捨てずにすむのか。会津乗合自動車(会津バス)と会津若松市役所はここ1年、そんな命題に取り組み、最適な「落とし所」を模索するために汗を流してきた。

 「まるで自分たちは交通政策をやっているのかと思うほどでした。ピーク時には課員8人全員が路線バスに乗りましたからね」。会津若松市企画政策部地域づくり課の目黒要一課長はそう振り返る。

 目黒課長の手元には、会津バスの路線統廃合で使った資料がどっさり。「この路線は、ここの停留所から日中に買い物客が乗って、ここで降ります」「ここからは、午前中に通院するお年寄りがたくさん乗りますが、日中はほとんど利用がないのですよ」。まるで会津バスの社員であるかのような滑らかな解説ぶりだ。

統廃合対象のバスに乗り乗客のリアルな姿を観察

 それも無理はない。目黒課長ら地域づくり課の課員8人は2011年のゴールデンウィーク明け以降、合計3週間にわたって毎日路線バスに乗り、自らの目と耳と足で乗客の利用実態を観察したからだ。3月下旬に会津バスが提示してきた路線の統廃合案の1つに、「今のままでは交通弱者が出てしまうかもしれない」と、不安に思ったためである。

 廃止が提案された鶴ヶ城・飯盛山線は、朝夕に通勤・通学者らが利用していた。これが重複経路の多いまちなか周遊バスの「ハイカラさん」「あかべぇ」と統合することになったのだが、ハイカラさん、あかべぇの現状のダイヤに、通勤・通学時間帯の運行があまりなかった。それを見て市役所側が「朝と夕方の時間帯に運行できないか」と要望すると、会津バス側は「人員のやりくりが難しい」と答えたのである。

 路線統廃合は住民、会津バス、会津若松市役所などで会議を持って決めることになってはいる。路線統廃合の行政上の手続きは路線として維持されていれば良く、本数や時間帯まで考えなくても認められる形になっている。だが「会議の場だけで利用者の声をきちんととらえるのは難しい」と感じた目黒課長は、自分で対象のバスに乗り、目で見て検証することにした。「乗降数について人数で何人と出ているが、その数字の裏のあるのが『どういう人』かつかみたかった」と言う。

 バス事業とタクシー事業を営み、企業再生支援機構の支援のもとで経営再建中の会津バス。2011年3月12日、奇しくも東日本大震災が発生した翌日に新体制に移行した会津バスにとって、不採算路線をできるだけ減らす路線統廃合は優先度の高い重要テーマの1つだった。会津バスの2011年3月期の売上高は約22億円。営業損益は、路線バス事業に対する補助金を加味しても2億円強の赤字だ。機構を通じ、実質合計1億円もの公的資金投入により救済された以上、コスト削減を進め、安定して収益を出せる経営を目指して、急いで改革を進めなければいけない。

コメント8件コメント/レビュー

会津がんばれ!会津地方は、福島県の中でも汚染度がとても低いのですよ。お米も1ベクレル以下など低線量のものが多いのを知りました。低線量をもっとさりげなくアピールされるとよいと思います。食料も観光も!(2012/03/13)

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「再建のカギ、路線の統廃合にすったもんだ」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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会津がんばれ!会津地方は、福島県の中でも汚染度がとても低いのですよ。お米も1ベクレル以下など低線量のものが多いのを知りました。低線量をもっとさりげなくアピールされるとよいと思います。食料も観光も!(2012/03/13)

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