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トヨタ、営業利益1兆円へ

自動車株、相場けん引役になるか

  • 阿部 貴浩

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2012年3月12日(月)

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 昨年末から上昇基調に入った株式市場。先週はギリシャ債務問題への不安再燃や、中国の成長目標の下方修正など市場心理を冷やす材料が出て、売り圧力が強まる場面が目立ったが、「一本調子の株価上昇に警戒感が高まり、投資家が売りのきっかけを探していた」(立花証券の平野憲一執行役員)。週末には日経平均株価が一時、1万円を回復するなど市場関係者の表情は明るい。

 最近の株価上昇をけん引するのが自動車株だ。2011年、自動車各社は東日本大震災やタイの洪水など災難続きで、大規模な減産を余儀なくされた。株価も低迷し、トヨタ株は11月24日に2330円、ホンダは同22日に2127円の昨年来安値を付けた。

 しかし、今年に入ると自動車株は戻り基調が鮮明になる。足元でトヨタ株は3400円前後、ホンダ株は3100円前後まで値を戻した。業種別日経平均・自動車の年初からの上昇率は、3月8日までで24%となった。同時期の日経平均株価の上昇率は16%で、自動車株の上昇率は相場全体を大きく上回っている。

 自動車株が買われた理由はいくつか考えられる。その1つは、日本株に外国人投資家の買いが戻ってきたことだろう。時価総額首位のトヨタなど、日本の基幹産業である自動車株は、投資家のポートフォリオに必ず組み込まれている。日本株を売れば自動車株も売られ、日本株を買えば自動車株も買われる。この買い戻しの動きが上昇の背景にある。

 そこに円高修正の動きが後押しした。為替相場は直近1カ月で、5円も円安・ドル高に動いた。自動車は海外生産の動きを加速しているとはいえ、為替相場が業績に与える影響は、なお大きい。1円の円高・ドル安でトヨタは営業利益が年間340億円程度目減りし、日産自動車は200億円、ホンダは150億円程度の減益要因になる。円高進行に歯止めがかかれば、業績への不安感は大きく後退する。

電機株より自動車株を選択

 外国人が日本株を買い戻したとはいえ、業種別に見ると値動きには格差がある。例えば電機。業種別日経平均・電気機器の今年の値動きは、日経平均とほぼ同じだ。パナソニックやソニー、シャープといった家電大手は、2012年3月期に軒並み大規模な最終赤字になる見通し。「日本株を買い戻すといっても銘柄は選別する。電機ではなく自動車が選ばれている」(岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジスト)という。

 自動車株は今後も相場のけん引役となりうるだろうか。年明けに膨らんだ外国人買いだが、先週は勢いに陰りが見られたようだ。年初から2月は機関投資家が新年度のポートフォリオを構築する時期。例年、その後は買いの勢いが鈍る。需給環境の改善による上昇なら、値動きは一服するはずだ。これからも上値を追うには、自動車各社が2013年3月期に向けて、どれだけ収益を伸ばせるかという業績の裏付けが必要になる。

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