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ミトコンドリアDNAでわかった人類の歴史

国立科学博物館・人類史研究グループ(4)

2012年3月23日(金)

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 現生人類ホモ・サピエンスはアフリカで生まれた、という説が有力だ。たぶん、確定的と言ってよい域に達している。

 現生人類であるぼくたちの祖先は、アフリカから中東経由でユーラシア大陸へ進出し、さらにはベーリング海峡を渡って北米大陸に到達、さらにパナマ地峡を通過して、南米大陸を南下し、最終的に南米最南端マゼラン海峡地域にまで至った。

 まさに大いなる旅路だ。ぼくとしては、ここにさらに、南太平洋の民族移動を付け加え、今から800年前になって、やっと人類が発見、定住した大きな陸地、ニュージーランドを「旅の終わり」に位置づけたいのだが(居住していたこともあり、思い入れがあるのです)、一般には、南米の最南端が終着点として理解されている。

 篠田さんのミイラ研究は、南米アンデス地域であり、つまりは、この大いなる旅の終着点付近だ。もともとの研究の最大のテーマである「人類史」の中で最後のハイライト部分と言える。

(写真:藤谷清美、以下同)

 では、その終着点から、篠田さんの研究を通じて、人類史を振り返るとどうなるだろう。

 そのためには、篠田さんが使ってきたミトコンドリアDNA分析の特質を知っておくべきだろう。

 というわけで、ミトコンドリアDNAについて、簡単に。

 まず、ミトコンドリアというのは、細胞内にあるエネルギーを生産する小器官だ。核とは別に独自のDNAを持っており、おそらくは細胞内に入り込んだ共生微生物が起源ではないかと言われている。DNAサイズは、1万6000塩基対ほどで、30億塩基対ものある核DNAと比べると格段に小さい(塩基や塩基対というのは、DNAの遺伝情報を構成する最小単位)。

 もう一点大事なのは、ミトコンドリアの遺伝子の伝達の仕方だ。核DNAなら、父親の精子と母親の卵がくっついて半分ずつの遺伝情報を受け継ぐわけだが、ミトコンドリアの場合はその方式をとらない。精子からは父親由来のミトコンドリアの遺伝情報は伝達されないので、結局、卵の中にあった母親のミトコンドリアだけが子に継承される。つまり、ミトコンドリアDNAの研究で辿ることができるのは、母系のみなのだ。

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「ミトコンドリアDNAでわかった人類の歴史」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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