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不動産の「2012年問題」は克服できるか

米ジョーンズ・ラング・ラサール社長兼CEOのコリン・ダイアー氏に聞く

  • 伊藤 正倫

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2012年3月15日(木)

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 2012年は東京都心で大型ビルが相次ぎ竣工する。4月には渋谷駅前に東京急行電鉄の大型複合ビル「渋谷ヒカリエ」が開業、5月には丸の内で旧東京中央郵便局の建て替え案件である「JPタワー」などが完成する。

 繁華街の大型ビルでは低層階に商業施設が入居することが多く、ビル完成によって街が華やぎ、消費のカンフル剤としての役割も期待できる。だが、不安もある。高層階のオフィスが大量に新規供給され、オフィス市況の需給が緩みかねないからだ。主要5区(千代田、港、中央、新宿、渋谷)で年内に新規供給される延べ床面積は昨年から約9割増えるとの指摘もある。いわゆる不動産の「2012年問題」だ。

 東京の大型オフィスビルは、ファンドなどを通じて世界中から投資マネーを集める金融商品でもある。供給過剰から空室率が上昇し、金融商品としての魅力が薄れれば、投資マネーは国外に逃げ出し、日本の不動産価値の下落に拍車をかけかねない。米不動産大手、ジョーンズ・ラング・ラサールのコリン・ダイアー社長兼CEO(最高経営責任者)に、東京のオフィス市況の見通しと、世界の不動産投資市場での東京の位置づけについて聞いた。(聞き手は伊藤 正倫)

―― 日本では企業業績の回復が鈍く、東京のオフィスでは新規供給の増加による2012年問題が懸念されています。この先の市況をどのように予測していますか。

米ジョーンズ・ラング・ラサールのコリン・ダイアー社長兼CEO(写真は新関雅士)

ダイアー:設備などのグレードによってオフィスビルをA、B、Cと区分すると、もっともグレードが高いAクラスビルの需要は強い。東日本大震災が起きたことで、災害に備える意味から耐震性などにも優れたビルに入居したいと考える企業が増えているからだ。2012年はビルの新規供給が多いが、少なくとも丸の内や大手町といった好立地のオフィスビルは、ほぼ問題なくテナントを集めることができるだろう。

 Aクラスビルは賃料も高くなるが、一般的に企業全体のコストに占めるオフィス賃料の割合はそう大きなものではない。有事の際も従業員に安全を提供できると考えれば、Aクラスビルに入居することは一種の保険のようなものだ。また、フロア面積が広いビルが多く、分散した拠点を集約して社内の意思疎通も図りやすくなる。

 一方で、B、CクラスのビルはテナントがAクラスビルに移転することもあって市況に厳しさが残る。我々は“質への逃避”と呼んでいる。

北京、ムンバイと同様に市況は回復へ

―― 世界の不動産市場での東京の位置づけはどうですか。東京はまだ投資対象として魅力的なのでしょうか。

ダイアー:東京の不動産は2008年のリーマンショックで大きく値下がりしましたが、不動産価値は回復に向かっている。少なくともAクラスビルでは需要が堅調だから、賃料水準は下げ止まりつつあり、やがて反転するだろう。 東京は、北京やムンバイなどと同じく、これから賃料の上昇局面に入ると見ている。これに対し、シンガポールや香港ではこれから下落していくだろう。

ダイアー:日本は中国などと比べて、大きな経済成長が見込みづらいのは確かだ。不動産価値の大幅な上昇がない半面、日本のオフィスは安全性が高く、市況が比較的安定していることは投資家にとって心強い。円高が定着していることも日本の不動産価値を高めている。中東勢や政府系ファンドなど、安全資産である東京の不動産に投資しようとしている海外投資家は増えている。

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