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薄熙来解任劇は党内権力闘争ではない!

その1:重慶市の王立軍事件と薄熙来の巻 続編

2012年3月21日(水)

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 これまで中国共産党(中共)重慶市委員会書記である薄熙来の危険性に関して追跡してきた。そして、3月15日、中共の中央はついに薄熙来のすべての役職を解任すると発表した。

 胡錦濤国家主席は2008年から薄熙来の動向をじっと静観し、微動だにしなかった。しかし、今年に入ってから包囲を開始。ついに胡錦濤の本当の思いを表面化した、と言うことができる。

 3月5日に始まった全国人民代表大会(全人代)における胡錦濤の表情はすごかった。
 温家宝首相の政治活動報告を聞いている時の胡錦濤の顔は、まるで奥義を極めた武士のように威厳があり、見る者を圧倒した。国家最高指導者として10年間に及ぶ苦難を乗り越えてき者が持つ不動の信念がにじみ出ていた。その心の中では、3月15日の「薄熙来解任」に向けた決意が静かに固まっていたのだろうと、今にして思う。

 これで薄熙来の政治生命はほぼ終わることになろう。

薄熙来の解任はチャイナ・ナインの総意

 薄熙来は分類するなら太子党(中共の高級幹部の子女)だ。しかし、この連載で何度も注意を喚起したように、「太子党」は一つの党派でもなければ、組織でもない。さらに、「党」という名称には一種の軽蔑の意味さえある。

 例えばネット言論において政府のために政府側の意見を書き込んで「ネット世論」をつくり上げるサクラを「五毛党」と呼ぶのに似ている。「五毛党」は「5毛という安い報酬をもらって政府のためにネット世論をつくるやから」という、一種の蔑称だ。

 「太子党」は、自分は偉くないのに、親の七光りで出世した「2世議員」というニュアンスを持った俗称にすぎない。さらに太子党に分類される政治家同士は怨念を残している場合がある。親同士の仲が悪かったら、子供の世代も基本的に仲が悪い。したがって、「太子党」と言っても、一つの党派と思ってはならない。

 日本のメディアは、「党」とあるので勘違いして、「薄熙来の一件は、胡錦濤率いる共青団(中国共産主義青年団)と習近平率いる太子党との間の権力抗争の表れだ」と報道している。

 このような解釈をしたら、中国の政局は何も見えなくなってしまう。

 そうした過ちを犯さないよう、警告として、本連載で描いてきた薄熙来の問題の位置づけを、その解任劇をきっかけにして、もう一度明らかにしたい。

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「薄熙来解任劇は党内権力闘争ではない!」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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