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教育費の節約はおしまいにしよう

「絶対音感」が学べる音楽教室に子供を通わせる親たち

2012年3月26日(月)

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 デフレの長期化は個人の財布のひもを長い間、堅く締めさせてきた。しかし、日本経済の先行きに引き続き危機感を抱く親たちの中には、子供たちに厳しい世の中を生き抜くための力を備えさせるために、教育の面であえて相応のお金をかける動きも見られ始めた。

 東京の池袋を起点として延びる西武池袋線の椎名町駅。この界隈では、音符のマークが入った緑色のバッグを抱えて行き交う親子の姿が目立つ。周辺に点在する音楽教室、一音会(東京都豊島区)に通う光景だ。電車もさることながら、クルマで通う生徒も多く、近くのコインパーキングは神奈川県や埼玉県、千葉県など遠方のナンバーを付けた車両で満車になることも少なくない。決して安くはない交通費をかけて、日本中からこの椎名町に通い集まる生徒の数はおよそ1500人に及ぶ。

 このほか、自宅で通信教育を受ける生徒も約300人いる。この中には、定期的に飛行機に乗って上京し、椎名町にレッスンを受けに来る生徒も少なくない。長期化する景気悪化に畳みかけた昨年の東日本大震災後も、生徒数の減少は見受けられない。

 近所のピアノ教室では飽き足りない生徒や親たちが、わざわざ一音会に通う理由。それは、耳で聞いただけで音の高さを正確に認知できる「絶対音感」の習得のためだ。絶対音感はプロの演奏家の多くが身につけているとされる特殊な能力の1つで、幼少の頃にしか開発することができないと言われている。日本ではかつて、ノンフィクションライターの最相葉月氏が同名のタイトルで書いた本がベストセラーになり、一般の人たちの間でも話題を呼んだ特殊能力だ。

色で和音を聞き分けるスーパーキッズ

「赤」はドミソ、「青」はシレソ。様々な和音を色で区別して耳に定着させる一音会の絶対音感プログラムのレッスン風景

 一音会では、絶対音感やピアノのレッスンを個室で行う。まずは、先生がピアノで和音を無作為に「ジャーン!」と弾く。すると、傍らにちょこんと座った小さな子供が、色紙で作った複数の旗の中から1本を選んで叫ぶ。「あか!」。そして、また別の和音を弾くと、「きみどり!」と健気に答える。なかには、「おむらき(むらさき)!」などと、まだ言葉を覚え切れていない幼児も多い。

 しかし、それらの“お返事”はすべて、色で区別して覚えた複数の和音を正確に言い当てている。答える本人は日頃のお遊びの延長としか感じていないような屈託のない様子だが、その横でうかがっている親たちは皆、平静なようで、いつも表情の奥では驚きを隠せないでいる。

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「脱「デフレ思考」のすすめ」のバックナンバー

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「教育費の節約はおしまいにしよう」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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