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ケチは幸せになれない!

国境警備員に“連行”されたら郷土料理でもてなされた!

  • 菊池 由希子

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2012年3月29日(木)

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 モスクワはバレエやクラシックに興味のない観光客にとっては実に見どころが少ない。モスクワを満喫するのに3日もあれば十分だろう。クレムリンにモスクワ大学、プーシキン美術館、アルバート通り。おそらくそれだけ見たらサンクトペテルブルグに1、2週間、時間を費やした方がいいだろう。だから、モスクワのイメージを良くするためにわざとお客さんを連れて行く場所があった。それは「グルジア料理店」だった。

 グルジア料理を一口だけ口に入れると、どんな外国人も目を輝かせたものだった。「来てよかった。連れてきてくれてありがとう」と、客人の口からは感激の言葉が止まらなくなる。これで秋のどんよりした空や冬のマイナス20度、30度のモスクワの印象が、一気に夏の太陽が燦々と輝くモスクワに変わってしまうのだから、グルジア料理はまさに魔法のようである。

チャーチルをうならせたグルジアのワイン

 旧ソ連の人たちは、ヨーロッパに比べてもてなし好きな人たちだと言われてきた。よく、フィンランド人とロシア人の比較で取り上げられるように、旧ソ連では常に客人をもてなすことが尊ばれてきた。特にコーカサスのもてなし好きといえば旧ソ連一である。

ビーツ(赤てんさい)で作ったロシアの代表的なスープ「ボルシチ」(右下)

 グルジアは、旧ソ連一、食文化が豊富な国として有名である。客人をもてなすために編み出された数々の料理とワイン、レモネードなどの飲み物は世界中の人々を魅了してきた。

 ソ連時代、クレムリンで振る舞われていたグルジアワインはチャーチルをもうならせた。客人が幸せになるグルジア料理の秘密は恵まれた自然環境によって育てられる農作物や家畜そのものであり、豊富なチーズや砕かれたクルミ、そして、秘伝のスパイスやソースである。

 一見、他のコーカサス料理やトルコ料理とも似ているが、口の中いっぱいに広がる香ばしさはグルジア料理でしか味わえない。

トウモロコシ粉で作ったすいとん(中央)と羊肉の塊をニンニク入りの煮汁で頂くチェチェンの代表料理「ジジガルナシュ」(左上)

国境警備員にも“もてなされた”

 しかし、そんなグルジアは紛争国となり、自国に2つも占領された領土を抱えている。それがアブハジアと南オセチアだ。2008年のロシアとの武力衝突を機に、ロシアはこの2つの国を独立国家として承認した。武力衝突前、この2つの国に出入りしたことがあった。

 2014年の冬季五輪開催予定地であるロシアのソチからミニバスで30分、アブハジアの国境がある。査証を持たずに私がやってきたところ、アブハジアの国境警備員に連行された。すると、その警備員はすれ違った別の国境警備員と冗談を言い合った。

「ダメじゃないか、お客さんを捕まえたら。俺たちはもてなし好きなんだから」
「捕まえたんじゃないよ。こうやってもてなすために、オフィスに招待しているんじゃないか」

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