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「大飯原発再稼働」で野田政権がぶち当たる岩盤

「電力不足」「料金値上げ」「原発再稼働」に張られたリンク

  • 山岡 淳一郎

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2012年3月27日(火)

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 電力改革をめぐる動きが、乱戦、混戦の様相を呈している。野田政権は、遮二無二に関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させようとしているが、「安全対策」「地元の了承」の両面で、巨大な岩盤にぶち当たっている。

 連載初回で「電力改革の見取り図」を示したが、原発再稼働の必要条件である安全対策分野で、4月1日に発足するはずの「原子力規制庁」の設立が大幅に遅れそうだ。根拠となる「原子力安全改革法案」の国会審議入りのめどが立たない。

 この法案には、経産省から原子力安全・保安院を分離し、環境省の外局にすえる組織改革が含まれる。「原発運転は原則40年」「原発立地地域での防災計画づくり」や事業者への安全対策の「新基準」なども盛り込まれている。

 自公両党が審議入りに応じないのは、規制庁は内閣から高い独立性をもつ公正取引委員会などと同等の「3条委員会(国家行政組織法)」にすべき、設立は6月の国会事故調査委員会の報告を待ってから、などの根強い意見があるためだ。このまま野田政権が政府案に固執して、内閣の関与を残そうとすれば、6月21日の国会会期末までに法案は成立しないかもしれない。

 今後、原子力規制庁という安全対策の「支え」を欠いたまま、政府と電力事業者が再稼働を進めようとすれば、脱原発、脱原発依存の「民意」という岩盤に真っ向からぶつかることになる。

原発の爆発事故で吹き飛んだ「原発から半径8~10キロ圏内」の防災対策重点地域

 さらに、「広域化する地元」という岩盤もそそり立つ。これまで国が再稼働を決める際、協議を求める地元は福井県と、立地自治体のおおい町に限られていた。

 しかし、原発の爆発事故で、防災対策重点地域を「原発から半径8~10キロ圏内」とした従来の防災指針は吹き飛んだ。被害が指針を超えて途方もなく広がってしまった。

 福島第一原発から10キロ以上離れている南相馬市は、かつて国に原発事故への防災計画を立てたいと申し入れたが、「住民の不安をあおる」と拒まれた。

 その拒絶の「盾」になったのが、原子力安全・保安院だった。

 朝日新聞が情報公開請求した文書によれば、2006年3月、国際原子力機関(IAEA)が基準の見直しを示したのに合わせ、内閣府の原子力安全委員会が防災指針の改訂に乗りだした。半径8~10キロの防災対策重点地域を廃止し、半径30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に拡大することが検討課題となった。

 すると同年4月下旬、保安院は、「社会的な混乱を惹起し、ひいては原子力安全に対する国民不安を増大するおそれがあるため、検討を凍結していただきたい」(朝日新聞2012年3月15日夕刊) と文書で申し入れた。さらに「IAEAの正式な決定と我が国の防災指針の見直しは……リンクさせるべきものではない」「一方的に防災指針について改訂の検討を開始したことは、貴課(安全委事務局管理環境課)の不注意と言わざるを得ず、誠に遺憾」と意見書まで送りつけたという。結果的に防災指針の見直しは行われなかった。

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