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「橋下旋風はデフレが生んだ」

このままでは衰退が100年続く

  • 伊藤 正倫

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2012年3月29日(木)

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 大阪府知事から大阪市長へと前代未聞の転身を遂げ、「既得権の破壊」を声高に叫ぶ橋下徹氏。次は国政進出をも狙う彼の快進撃を支えているのが、将来不安が増すばかりの府民、市民の不満であることは明らかだろう。

 「橋本氏躍進の根本にあるものこそがデフレ」――。日経ビジネス3月26日号の特集「さらばデフレ消耗戦」の取材で、興味深い解説を聞いた。大和総研顧問の原田泰氏である。

 原田氏は「デフレの毒が顕著に回っているのが地方。単に物価が下がるだけならいいが、それに伴って景気が停滞し雇用・賃金もじわじわと低下し続けた。円高によって地方の雇用を支えていた製造業の生産拠点も次々と海外に出ていき、地方では高所得の職が公務員などに限られるようになった。当然、市民の間で公務員に対する反感が増幅する。この空気をうまく読んでいるのが橋下氏だ」と指摘する。

 上のグラフは、大阪市が公表する市内雇用者の現金給与総額(月額、5人以上の事業所が対象)の平均値の推移だ。デフレに入るか入らないかの頃だった1997年には43万3000円あった給与は、ほぼ一貫して下がり続け、2010年は36万6000円と、この14年間で6万7000円(減少率は15%)も減った。

 さらに、業種間格差も急拡大している。最も給与が高いのは「電気・ガス・水道など」で2010年平均は月額71万6000円。2005年平均から10%も増えており、全産業の平均のほぼ倍に当たる。これに対し、「医療・福祉」は28万7000円とこの間で19%減った。このほか、業種区分の変更で過去との比較ができないが、2010年平均で「宿泊・飲食サービス」が13万9000円、「生活関連サービス・娯楽」が20万6000円など低賃金のカテゴリーも少なくない。デフレ下で給与格差も着実に進行していることが分かる。

 この統計には地方公務員のカテゴリーは含まれていない。公務員の給与は民間の給与水準と連動するとされているが、昨年12月に大阪市長に就いた橋下氏がまず着手したのが市職員の給与カットだった。給与の38%削減を打ち出した市交通局の市バス運転手の平均年収は約739万円。民間バス会社の運転手より36%も高かったのだ。公務員の給与実態を暴くことで市民の支持をさらに集めようとしている橋下氏の行動を見る限り、橋下旋風がデフレの副産物であるとの指摘もうなずける。

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