• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「隠れたチャンピオン」が持つ高い技術力が成長のカギ

日本の8割の労働時間で、3%多いGDPを稼ぎ出す

2012年4月5日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回お伝えしたように、ドイツは他の大半のEU加盟国とは対照的に、1999年からの8年間で単位労働費用を減らすことに成功した。その結果、経済成長率や輸出額、雇用の創出で他国に大きく水を空けている。1990年代に、高い労働コストに起因する「ドイツ病」に苦しんでいた同国は、痛みを伴う社会保障改革を実行したことによって、今やヨーロッパ経済の優等生となったのである。

 会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)のドイツ支店が2012年3月21日、ドイツの強さを象徴する数字を発表した。DAX(ドイツ株式指数)市場に株式を公開している大手企業30社のオペレーティング・プロフィット(OP=営業利益)の総額が、2011年に初めて1000億ユーロ(10兆円)の大台を突破した。DAX企業は、日本の日経平均における225社に相当する、大手企業である。

 OPが最も多い上位5社はすべて製造業であり、しかもその内3社が自動車メーカーである。このことは、ドイツの物づくり企業が2011年に、いかにめざましい業績を記録したかを示している。全DAX企業の売上高の総額も2010年に比べて9%増えた。研究開発支出は同10%、従業員数は同1.4%増えている。DAX企業は中国や南米の新興国で売り上げを大きく伸ばした。2011年には多くのDAX企業が、それぞれ創業以来最高の業績を挙げた。

オペレーティング・プロフィットの上位5社

 企業収益の改善によって、税収も大幅に増えた。歳出削減努力とあいまって、ドイツ連邦政府は2016年に財政均衡を実現する見通しだ。財政赤字は、現在の32分の1に減少する。財政赤字がほぼゼロになるのは1969年以来、43年ぶりである。

IMFのラガルド専務理事によるドイツ批判~減税して消費拡大を

 だが、どの学校でも優等生は妬まれる。ドイツ経済がヨーロッパで独り勝ちの状態であることに対して、批判的な声が出始めている。

 国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、フランスの経済大臣だった2010年3月頃、英国の新聞やドイツのラジオ局とのインタビューの中で、ドイツだけが貿易黒字を増やしていることを批判した。「ドイツ政府は減税によって市民の可処分所得を増やし、国内需要を高めるべきだ。賃上げの過度な抑制も問題だ」と述べ、輸出だけに依存する体質を改めるよう求めた。ユーロ圏内では、強大な競争力に基づいてドイツだけが貿易黒字をため込み、ギリシャやポルトガルなどでは貿易赤字が拡大している。ラガルド氏の発言の背景には、「ユーロ圏内の労働コストや競争力の不均衡が、深刻な債務危機の原因の一つだ」という分析がある。

コメント3件コメント/レビュー

私は以前は金融機関に20年以上年務め、今は製造業で海外工場の経営を任されています。本当にドイツの製造業は強いですね。ドイツ製品を持っていることが消費者にとって、あこがれになるように仕組まれている気がします。ドイツの平均労働時間が約7時間半、日本の平均労働時間が約9時間とのことですが、多分日本はサービス残業を入れると、実態は11時間ぐらいになるのではないでしょうか。何故日本はこれほどまで長時間働かないといけないのか、と言うことですが、私の長年の経験から理由は以下の通りだと思います。第一に日本政府からの企業活動に対する干渉が多く、非常の多くの報告書の提出を求める。例えば、日本の金融機関などはその対応に全体の仕事の2~3割は使っている。第二に、日本企業では長時間会社で仕事をしている者が、会社に対して貢献している、という風潮がある。そのため、あまり意味のない会議も非常に多いし、上司が帰宅しないので、部下は帰宅できない。ところが、海外に出て外国人と一緒に自分がトップで仕事をすると、何と当社の従業員は1日平均労働時間7時間半で日本本社より高い生産性と品質が維持できている。私などは月火木金の週4日間朝9時から午後3時までしか働いていない。つまり、週24時間労働で充分会社が経営できる。つまり、政府の企業活動に対す干渉の仕方、トップの仕事に対する考え方と会社の組織並びにルール作り、従業員への教育の仕方が労働生産性に大きく影響すると思う。政府があまり企業活動に干渉せずに、また企業のトップの考え方が変われば、日本はドイツ以上に労働効率が高くなることは間違いない。要するに、日本政府が企業活動に干渉しすぎるのと、日本の経営者の経営能力がドイツに比べて低いことが原因だ。(2012/04/06)

「ドイツ経済はなぜ絶好調なのか」のバックナンバー

一覧

「「隠れたチャンピオン」が持つ高い技術力が成長のカギ」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私は以前は金融機関に20年以上年務め、今は製造業で海外工場の経営を任されています。本当にドイツの製造業は強いですね。ドイツ製品を持っていることが消費者にとって、あこがれになるように仕組まれている気がします。ドイツの平均労働時間が約7時間半、日本の平均労働時間が約9時間とのことですが、多分日本はサービス残業を入れると、実態は11時間ぐらいになるのではないでしょうか。何故日本はこれほどまで長時間働かないといけないのか、と言うことですが、私の長年の経験から理由は以下の通りだと思います。第一に日本政府からの企業活動に対する干渉が多く、非常の多くの報告書の提出を求める。例えば、日本の金融機関などはその対応に全体の仕事の2~3割は使っている。第二に、日本企業では長時間会社で仕事をしている者が、会社に対して貢献している、という風潮がある。そのため、あまり意味のない会議も非常に多いし、上司が帰宅しないので、部下は帰宅できない。ところが、海外に出て外国人と一緒に自分がトップで仕事をすると、何と当社の従業員は1日平均労働時間7時間半で日本本社より高い生産性と品質が維持できている。私などは月火木金の週4日間朝9時から午後3時までしか働いていない。つまり、週24時間労働で充分会社が経営できる。つまり、政府の企業活動に対す干渉の仕方、トップの仕事に対する考え方と会社の組織並びにルール作り、従業員への教育の仕方が労働生産性に大きく影響すると思う。政府があまり企業活動に干渉せずに、また企業のトップの考え方が変われば、日本はドイツ以上に労働効率が高くなることは間違いない。要するに、日本政府が企業活動に干渉しすぎるのと、日本の経営者の経営能力がドイツに比べて低いことが原因だ。(2012/04/06)

ドイツにおける輸出力の強さの原因は簡単に言えば共通通貨であるユーロがドイツにとっては対ドルベースでも安いからでしょう。何しろPIIGS諸国に代表されるソブリン債危機がユーロの価値を押し下げてくれるからです。ギリシャの債務破綻はいくら取り繕っても必ずデフォルトに至るし、ポルトガルやイタリアにしても緊縮財政では国民の不満が爆発して結局ユーロ解体になるでしょう。その時点でユーロは信頼性を取り戻し対ドルベースでも2倍近く高くなるでしょう。そこでドイツ製造業の真価が問われます。今は単に為替レートのハンデキャップに恵まれているだけです。最も良い例がお隣の韓国です。ウォンは対円で半値近く下がりましたし、輸出企業への手厚い保護で日本の家電メーカーは全滅仕掛けています。世話焼き爺(2012/04/05)

経済紙などでよく話題にされる新興市場ですがそこに住む彼らが日本製品に期待していることはなんでしょうか?「安い日本製品が欲しい」?私の友人たちは違います「日本製品を安くで欲しい」とは言いますが。その日本製品が"安物"に成り下がった時点で彼らの「欲しいもの」ではなくなるのです。今の(特に)家電メーカーは日本製の高品質の製品を単なる"安物"にしようとしています。そりゃ中韓に負けますよ。ドイツのチャンピオン企業に見習うべきです(2012/04/05)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長