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鳩山由紀夫の「大政奉還」と鳩山一郎のユートピア

自民党政権の形成と高度成長の時代(前編)

  • 村井 哲也

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[1/6ページ]

2012年4月4日(水)

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2人の祖父と自民党政権

 「官僚の政権奉還」。政党政治が崩壊した1939年11月、「鳩山一郎日記」の一節だ。陸軍をパトロンに特権階級を気取る官僚が、明治維新の原理を蔑にしていると痛烈に批判する。

 「吾人は被圧迫民族、官僚は優秀民族。命令と号令で駆け出す事は軍馬も軍用犬も能する…日本の政治原理は国民の懿徳良能(いとくりょうのう)が国事の負担を分って陛下の大政を将順し、国家の進運を扶持するにある」。国民を基盤としてきた政党人の意地だ。それから70年、この一節が鳩山由紀夫の所信表明演説で甦る。

 「今日の維新は、官僚依存から、国民への大政奉還であり、中央集権から地域・現場主権へ、島国から開かれた海洋国家への、国のかたちの変革の試みです」。(2009年10月)

 鳩山一郎は、戦後では吉田茂を官僚政治と批判して政権交代を実現している。1954年12月のことだ。つまり、祖父の流儀にならい、その孫は自民党を官僚政治と批判して政権交代を実現した訳である。相手は、吉田の孫・麻生太郎。これも因縁だ。

 「大政奉還」は実現したのか。顛末は周知の通りなので言及しない。それでは、祖父の「大政奉還」は実現したのか。こちらは言及する必要がある。鳩山一郎は、自民党で最初の首相となっているからだ。その孫が、官僚政治と批判した政党ではないか。

 鳩山は、戦時は陸軍に睨まれ、占領でGHQに追放される不遇をかこった。さらに脳溢血で不自由な身ながら、占領後に反吉田勢力を民主党に結集させる執念で首相となる。「御輿」と揶揄されたが、1955年11月に自由党との保守合同で自民党を誕生させ、翌年12月に日ソ国交回復で国連加盟と抑留者帰還に道筋をつけ退陣した。

 近年の首相に比べれば、堂々の業績だ。そもそも、「御輿」に担がれるには高度な政治技術がいる。誰でもなれる訳でない。それでは、時代はなぜ、吉田ワンマンから鳩山の「御輿」を必要としたのか。

 そこに、様々な選択肢がありながら、やがて形成される自民党政権の意思決定システムを解き明かすカギがある。そして、この形成に強烈なインパクトを与えたのが高度成長だった。自民党政権が誕生した1955年は、同時に高度成長が始まった年になるからである。

コメント3件コメント/レビュー

鳩山という名前をもう聞きたくないです。(2012/04/04)

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いただいたコメント

鳩山という名前をもう聞きたくないです。(2012/04/04)

孔子の有名な一節で有名な『温故知新』というのがある。 日本語読みで『ふるきをたずねてあたらしきをしる』だけれど、政治に関しても古の政治、日本の先輩である中国だと商や周ならば3000年以上前からどの様な政治が行われていたか、大凡の事は分かっている様だ。 然し、それらの時代も、そして現在の中国も王制、又は共産党による独裁政治であり、現代日本の特に戦後日本でそれなりに熟成した民主政治とはかなり違う。 日本の歴史に於いても、例えば明示の政治家は良くやった、と多くの人が感じるが、明治も一党独裁ではないものの薩長独裁に近い。 一体、民主主義で上手く運営された政治は歴史上存在しているのだろうか? 古代ギリシャで始まったとされる民主主義だが、ギリシャには『市民以下』の奴隷が存在していた。 近代民主主義の定義は『国民主権•基本的人権•法の支配•権力』の分立が基本であるらしい。 ところが、日本で戦後発達した民主主義は個人の権利が必要以上に強調され、結果的に『利権の主張』が民主主義そのものであるかの様に定着してしまった。 民主主義の基本は多数決ではあるものの、少数意見も尊重されるべきと必ず但し書きがある。 国会議員も国民も利権を手にした人達はそれを振り回し乍ら、国税を自分(達)の利益の為に使わせようと狂奔している。 最近の野田政権は『一体改革』に議員の賛成を得る為に、多くの議員が要求する利権に予算を奮発しだしている。 民主主義に於ける個人の権利とは国の予算をむしり取る権利ではない筈だ。 フランス革命で謳われた『自由・平等・博愛』も素晴らしい。 日本の民主主義が何を目指すべきものなのか、もう一度基本に立ち返って考え直した方が良いのでは無いか。(2012/04/04)

過去を引きずる2世、3世議員若しくは、引きずらないまでも明晰でないそれら議員がいる限り、日本が良くなっていくことはありませんな。(2012/04/04)

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