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ミサイル実験は金正恩の正統性と軍の威信のため

“ロケット”軍事技術的には未熟

  • 重村 智計

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2012年4月5日(木)

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食糧よりも体制維持

 北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会は、人工衛星「光明星3」を4月12~16日の間に打ち上げると発表した。この予告に対して日米韓の3国は、ミサイルの発射実験は「国連決議違反」であると非難し発射の中止を求めた。ロシアも同じ立場を明らかにした。他方、中国は「憂慮」を示しただけで、「国連決議違反」と明言はしなかった。この大国の足並みの乱れが、北朝鮮の立場を有利にしている。大国がいくら非難しようと、体制を維持するために、北朝鮮は「人工衛星」を発射するだろう。

 同技術委員会は、中国の東北部に近い「平安北道鉄山郡の西海衛星発射場」を発射基地にすると明らかにした。報道では「東倉里」と呼ばれる発射基地である。ここから、南方の沖縄、フィリピン方面に向けて発射する。

 これまでは、日本海側の「舞水端里」の基地から、日本及び太平洋に向け発射していた。今回から、発射基地を変更することになる。これには、米軍に攻撃されないため、という軍事的理由がある(後に詳述する)。

 実は、北朝鮮は2月29日、米国との間で次の通り合意している――米国は北朝鮮に対して24万トン以上の「栄養食品」と食糧を支援する。その代わり北朝鮮は、(1)高濃縮ウラン工場の運転と(2)核実験とミサイル発射を「臨時停止」する(朝鮮語では「一時停止」の表現を使っていない)(関連記事「米朝合意は、米大統領選と金日成生誕100周年の産物」)。

 この合意から16日後に、北朝鮮は「人工衛星発射」を発表した。米国にすれば、明らかに合意違反である。米国は「食糧支援の延期」を発表した。北朝鮮は食糧難に苦しんでおり、およそ50万トンの食糧が足りない、と報じられている。

ロケット発射で、金正恩の「大義名分」と「正当性」を確保する意図

 それなのに、北朝鮮はなぜ「人工衛星」を発射するのか。最大の理由は、体制維持である。食糧を確保し国民を飢餓から救うことよりも、体制の維持の方が大事な目標だからだ。

 北朝鮮は、4月15日に故金日成首席の生誕100周年を迎える。100周年祭典を大々的に行いたいところだ。このため、2012年を「強盛大国の元年」にする、と宣伝してきた。ところが経済は疲弊し、国民に配る食糧は足りない。「強盛大国」のスローガンは「強盛復興」に後退した。

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