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BCPの基本は「未来への夢」

平時にグランドデザインを描いておけば、危機が企業再興のきっかけに

  • 小坂 義生,熊谷 勇一

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2012年4月11日(水)

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いざ災害が発生した場合、「応急対応期」と「復旧・復興期」で、企業はどう対応すべきなのか。特に「応急対応期」では、状況の変化に応じて「柔軟性と俊敏性」と「正確性と安全性」の両方が備わった対応が必要だと、京都大学防災研究所の林春男教授は説く。そして企業が再興するためには、平時から会社のグランドデザインを用意しておくことが必要である。

――災害・危機対応の「応急対応期」で求められることには何がありますか。

:「初動期」で組織は迅速に体制を整え、状況を把握した後に、「応急対応期」では当面の復旧に対応します。状況は刻々と変化していきます。そこで「応急対応期」に求められるのは、「柔軟性と俊敏性」です。状況の変化に応じて、柔軟な意思決定が行われ、連載の第2回で述べたコマンド・アンド・コントロールよる作戦立案と資源配置が俊敏に行われなければならないのです。

図1 コマンド・アンド・コントロールの9のポイント

 作戦立案、資源配置のための意思決定には、「柔軟性と俊敏性」と同時に「正確性と安全性」も求められます。しかし、時にこの「正確性と安全性」を確保することを優先してしまい、意思決定が遅れて対応の機会を失うことがあるのです。

 「柔軟性と俊敏性」「正確性と安全性」の要素を同時に追求することは、一見して相反します。この2つの要素を備えるためには、平時からBCPの策定を行い、コマンド・アンド・コントロールの下で対応する仕組みをつくり、ICT(情報通信技術)を活用した危機管理システムを構築することが求められているのです。

――企業の災害・危機対応における「柔軟性と俊敏性」「正確性と安全性」には何か特徴がありますか。

:「柔軟性と俊敏性」を考えるとき、リスクとは何かをとらえ直すと良いでしょう。企業活動のなかでは、自然災害や事故だけでなく、金利や為替、株式市場の変動など様々なリスクが考えられます。例えば、ギリシャの経済危機からヨーロッパ全体の経済危機へと発展し、それが日本経済に波及するかもしれない。また中東情勢の不安定化による原油価格の高騰や輸入のリスクが、電力不足に陥っている日本を直撃するかもしれません。

 こうしたリスク評価を、企業は日ごろから行っていると思います。図2はリスクの分布を表しています。縦軸は事象の発生確率で、真ん中の垂直の線は、予期した結果の集合です。この垂直の線から左右に離れれば離れるほど、予期した結果と現実の違いが大きいということです。すなわちリスクの大きさです。Aという直線はこの「予期した結果の縦線」にぴったり一致していると考えてください。結果がすべて予期できているのですから、リスクはないということになります。BとCは現実の結果の集合が「予期した結果の直線」から離れています。リスクがあるということです。「縦線」から離れている分、「柔軟性と俊敏性」を持った対応が求められます。

図2 リスクの大小

 「正確性と安全性」は、仕事の質と言っても良いでしょう。災害・危機に直面しても、企業がどれだけ質の高い商品やサービスを顧客に提供できるかどうかが問われるのです。
 企業が「柔軟性と俊敏性」「正確性と安全性」を追求することとは、目まぐるしく変化する状況のなかで、その変化に一つひとつ適応し、質の高い商品やサービスを提供することなのです。これは、平時でも求められており、その積み重ねが災害・危機に直面しても生かされるのです。

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