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「パチンコ王・岡田」の美術館を覗きにいった

箱根と美術界をも揺るがす巨大施設の全貌

2012年4月9日(月)

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 箱根に巨大美術館ができるらしい――。関係者からの情報をもとに3月某日、箱根の小涌谷を訪れた。

 現場は温泉アミューズメント施設「箱根小涌園ユネッサン」と隣接する一等地。一帯は、「彫刻の森美術館」や「箱根美術館」など、競合美術館がひしめく、日本でも有数の美術館リゾートとして知られる。

 しかし、国道1号線に面する3メートルほどの高いフェンスと、険しい山の斜面に阻まれ、建物の概要を把握するのは難しい。見上げるとクレーンが忙しそうに動き、着々と工事が進んでいる様子がわかる。警備員の目を盗んで、フェンスの隙間に目を凝らした。すると――。

 視界には、鉄筋むき出しの巨大建造物が飛び込んでくる。「屋根」がついているところから察すると、完成後は和風の美術館になるのだろうか。鉄筋の分量もかなり多い印象だ。箱根が地震多発地帯だから、堅牢に作っていると推測される。

 「一体、何ができるんだ」「もしかして、巨大リゾートホテルが建って、客が奪われるのではないか」。着工当初は近隣の旅館の間でそんな噂が広まった。道路を挟んで隣には、箱根小涌園ユネッサンもある。ただでさえ不況で客足が鈍くなっているところに、大きなライバルが登場することが危惧された。

 しかし、ここにきて施設内容がみえてきて、一転、歓迎ムードが漂っている。

 「岡田美術館」

 2013年春の開業を目指しており、完成すれば日本最大級の民間美術館になる。計画概要によれば、「敷地面積9981平方メートル、延べ床面積8931平方メートル、2棟70室」と記されている。箱根地区で最大級の美術館「ポーラ美術館」(仙石原、延べ床面積8098平方メートル)を軽く上回る規模となる。東京港区にある東武鉄道初代社長の根津嘉一郎が建設した「根津美術館」(延べ床面積4014平方メートル)の2倍以上に当たる。

 景気低迷と震災で、観光地の地盤沈下や美術館の閉鎖が相次ぐ中で、箱根観光の新たな拠点となり得る期待の巨大美術館となっている。

 だが、1つ思いがけない事実が明らかになった。

ベールを脱いだ巨大施設

 「岡田美術館と聞いた時、てっきりあの岡田さんだと思いました」

 ある美術関係者は、箱根美術館やMOA美術館(静岡県熱海市)を手がけた故岡田茂吉氏(世界救世教教祖)を思い浮かべたという。

 だが、それは「岡田」違いだった。

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「「パチンコ王・岡田」の美術館を覗きにいった」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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