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寄港1回で経済効果は4400万円

盛り上がるクルーズ船誘致の課題

2012年4月10日(火)

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入国審査を終えて歓迎を受けるクルーズ船の観光客

 海外船会社の大型クルーズ船に全国の自治体や観光関係者が熱い視線を送っている。2012年は国内の港への合計寄港回数が過去最多と見られる410回以上となりそうだ。昨年は、国内の港への合計寄港回数が、例年の半分程度となる177回に落ち込んでいた。原発事故の影響が残る観光業界において、海外クルーズ船の寄港は数少ない光明となっている。背景には海外でのクルーズ市場の盛り上がりがある。世界のクルーズ船利用者は2000年からの10年間で倍増して、2009年に初めて2000万人を突破している。

 各国のクルーズ船会社は、治安の良さや乗客への熱心なもてなしなどを高く評価しているため日本の港を寄港先として選ぶことが年々増えてきた。クルーズ船の旅程は数日から数カ月と幅はあるものの、通常は寄港先に半日程度留まる。大型船の入港は、1000人単位の宿泊客を抱える高級ホテルが現れるようなもの。数時間の滞在でも寄港1回の経済効果は数千万円に及ぶ。

 単純な寄港回数の伸びだけではない。近年、クルーズ船の大型化が進み、1度の寄港で港に降り立つ乗客の数も飛躍的に増えた。90年代から活躍する日本最大のクルーズ船「飛鳥II」は乗客定員はおよそ900人。一方で、2009年に就航を開始した、世界最大級の「オアシス・オブ・ザ・シーズ」の定員は5400人である。乗客2000~3000人を運ぶクルーズ船は珍しくなくなっている。当然、港に降り立ち飲食や買い物に興じる乗客の数も増える。

 長崎港は海外クルーズ船誘致における勝ち組の1つ。長崎市の場合、空港から市街地までバスで30分かかるが、クルーズ船のターミナルからはグラバー園や大浦天主堂などの観光施設は徒歩圏内にある。ターミナルから100メートルの場所に名物の路面電車の駅もある。数時間しか散策する時間がないクルーズ船の乗客も効率的に観光スポットを回ることができる。長崎県の関係者は船会社にこうした利点をアピールしてきた。

 長崎市では2011年に17回寄港した海外クルーズ船による経済波及効果はおよそ7億4900万円と算出している。1回当たりは4400万円である。5年前の2006年は62回の寄港回数こそ、原発事故によってキャンセルが相次いだ2011年を大きく上回っているが、1回当たりの経済波及効果は2000万円に過ぎなかった。なぜ5年で倍増したのだろうか。

大型のクルーズ船は岸壁に近寄ってしまうとその全貌は写真に収まらない

入国手続きの迅速化が課題

 まず中国沿岸部からのクルーズ船が増えたことが挙げられる。欧米からの旅行者と異なり、中国人観光客は買い物中心の観光を楽しむ。長崎市では2008年に全国に先駆けて地元商店街で銀聯カード端末を導入している。ほかにも2009年にクルーズの大型化に対応するため岸壁を延伸するなどハード面での整備も進めてきた。だが、長崎県文化観光物産局の坂越健一局長は「海外クルーズ船の誘致において最も重視すべきは入国審査の迅速化だ。乗客の満足度に直結する見逃せない要素」と、ソフト面の充実を課題として説明する。

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「寄港1回で経済効果は4400万円」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師