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ミサイル打ち上げに失敗、金正恩は指導者としての「正統性」失った

国際社会は断固たる対応を――核実験は不可避!?

  • 重村 智計

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2012年4月13日(金)

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 北朝鮮が4月13日、「人工衛星」と称するミサイルの打ち上げに失敗した。北朝鮮の核開発――核爆弾とミサイルの開発――は停滞することになる。

 新しい指導者となった金正恩第一書記の「正統性」に、大きな傷がついた。メンツ丸つぶれである。国民に「失敗」をどう説明するかが、まず注目される。米国や韓国は、国連での非難決議採択や制裁強化に乗り出すだろう。北朝鮮は内政、外交共に厳しい状況に直面する。

国防委員長への就任を祝う花火…になるはずだったが

 「人工衛星」を13日に打ち上げたのは、最高人民会議が予定されていたからだ。金正恩氏は、その場で、国家の首班である「国防委員長」に就任する予定であった。この就任の祝砲として、「人工衛星成功」を大々的に打ち上げ、金正恩氏の権威と「偉大な業績」を内外に誇示する予定だった。

 この北朝鮮の「政治ショー」が、大きく狂うことになった。金正恩体制は、出発からつまずいた観がいなめない。

 金正恩氏は、北朝鮮の指導者として君臨するのに必要な、大きな「業績」がない。北朝鮮は経済破綻し、国民は飢餓状態にある。そのような状況で、新しい指導者として「正統性」を誇示するには、「大きな業績」が必要であった。このために、米国からの食糧支援よりも「人工衛星打ち上げ」を優先させた。ところが、食糧も失い、威信も傷ついてしまった。

 朝鮮半島では儒教の伝統が強い力を持っており、指導者の「正統性」が常に問われる。金日成主席と金正日総書記から受け継いだ血統は「正統性」の要件になる。だが、それに加え、「偉大な業績」が必要だ。それが、失われたのだかから指導者としての「正統性」は、大きく失われることになる。

 北朝鮮は、国民に対して失敗を認めた。朝鮮中央通信が「衛星を軌道に乗せることに成功しなかった」。ピョンヤンには多くの中国人が滞在している。失敗を認めずにいると、彼らが携帯電話で状況を広める。これを恐れたとみられる。今後は、失敗の理由をどのように説明するのかが注目される。

ロケット技術が未熟であることを露呈

 今回の失敗はまた、北朝鮮のロケット技術の未熟さを露呈した。多段式ロケットは、第1段目のエンジン技術と切り離し技術が最も難しい。もともと、北朝鮮のロケット技術は、極めて初期段階にある。軍事評論家の神浦元彰氏によると、米ロの技術を「大学院」クラスとすると北朝鮮は「小学生」水準だという。北朝鮮の長距離ミサイルの成功率は、これで50%に落ち込んだ。

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