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ついにバングラの東大、難関・ダッカ大学への合格勝ち取る

第2回:くじけそうになる学生たちの気持ちを盛り上げていく

2012年4月17日(火)

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 「バングラデシュ版ドラゴン桜」と呼ばれる税所篤快さん。前回では、日本よりも受験戦争が激しいバングラデシュで、予備校の先生の授業を映像にとり、地方の貧しい学生に見せるというプロジェクトを始めたところまでを紹介しました。さて今回は?(著者の最近の活動についてはこちら

 グラミン銀行から独立し、DVDの映像で授業を行う「e-Education」プロジェクトを独自に進めることになった僕とパートナーのマヒン(本名アブドル・モティン・セイク)。

 2010年10月の受験に向け、ハムチャー村を「バングラデシュ版『ドラゴン桜』」の舞台に設定しました。ハムチャー村はダッカからバスと船を乗り継ぎ、8時間ほどかかるバングラデシュの典型的な田舎の村。実はマヒンの出身地です。マヒンの親戚が現地の学校の校長先生を務めていて、人的なつながりも期待できました。

 実際、マヒンが村にある3つの高校の先生たちにプロジェクトを説明し参加を呼びかけると、優秀な生徒がたくさん集まりました。

 村の先生たちは、そういう優秀な生徒たちを「Hidden Treasure(埋もれた宝)」と呼んできました。大学受験をするために予備校に通おうとすれば、村人たちの収入1年分以上のお金が必要。どの家庭にもそんな経済的余裕はありません。どんなに優秀な生徒でも、貧しい家庭に生まれれば大学進学をあきらめるしかないのが実情だったのです。田舎でも、貧しい家庭の生徒でも、無料で予備校の最高の授業が受けられるe-Educationはその常識をひっくり返そうとしていました。

ハムチャー村ではパソコンを使って授業を始めた(左が税所さん、写真:Takabow)

 集まってきた生徒から30人を選抜し、6月に授業をスタートしました。最初は男子生徒ばかりだったのですが、ぜひ女子生徒にも挑戦してほしいと考え、マヒンを通して家族を説得し、数人の女子生徒にも参加してもらいました。

 村はずれにあるボロ小屋を借りて教室にしました。僕がツイッターやブログで寄付を呼びかけて集まった中古のノートパソコン5台を並べてあります。教室では毎週3教科・各2時間ずつの映像授業を行います。パソコンが5台しかないので、30人を6チームに分けて、曜日ごとに時間割を作って回していきました。マヒンはハムチャー校舎長となって、電話で教科の質問や学習方法など、生徒の質問に何でも答えました。2週間に1回は村を訪れ、熱心に指導してくれました。

 悩みの種は村で始終起きる停電です。DVDを見て勉強していても、途中で画面が消えてしまったら授業がストップしてしまいます。せっかく家から教室まで来たのに勉強できないのですから、生徒たちのフラストレーションがたまります。

 何とかしなければいけないと思って中古の発電機を買いました。ところが発電する時の「ガガガガ」という音がうるさくて、生徒たちから「映像授業の声が聞こえない」「勉強できない」と大ブーイング。結局、蓄電池を買って、停電しても1時間ぐらいバックアップできるようにしました。

「ダッカ大学ツアー」でモチベーションアップ

 授業が着々と進む中、7月頃から、教室の様子が変わってきました。教室に来なくなる生徒がポツポツ出始めたのです。

 生徒たちの家庭はみな貧しく、ギリギリで生活しています。教室で勉強している時には大学進学という希望を抱くことができても、一歩外に出れば日常の生活が待っている。親の手伝いをしなくてはいけない生徒もいます。

 「映像授業なんかでうまくいくわけがない」「田舎の貧しい学生が合格できるはずない」と否定的な周囲の声も聞こえてきます。「大学合格」をつかみ取るというイメージを抱くことができない生徒たちは、脱落しそうになっていたのです。

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「“ドラゴン桜”早大生 バングラデシュから世界へ」のバックナンバー

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「ついにバングラの東大、難関・ダッカ大学への合格勝ち取る」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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