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破綻相次いだ米国の教訓とFIT後の日本

「グリッドパリティ」に近づく太陽光発電【2】

2012年4月19日(木)

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 前回は、世界情勢に加えてドイツに焦点を当てた。今回は、まず米国の最新動向を概観する。米国もドイツと同様に、中国勢の攻勢を受けながらも市場が急拡大している。関連企業は過酷な市場環境をどう乗り切るかを必死で考えている。今後、FIT(固定価格買い取り制度)導入によりメガソーラーを含めて市場拡大が見込まれる日本は、海外メーカーが強い関心を示している。ドイツや米国の対応は、おそらく明日の日本の姿でもある。

中国勢参入でグリッドパリティを実現する米国

 米国は、太陽光発電のフロントランナーであった。1978年歴史的なPURPA法(公益事業規制政策法)が成立し、電力会社は太陽光発電などの買い取りを拒めない状況になった。同国で関連メーカーも登場したが、基本的に日本メーカーが米国に輸出する構図が続いた。その後、カリフルニア州が積極的に普及策をとり、連邦政府の投資減税(ITC)を活用して米国市場をリードする。オバマ政権になり、ITCの減税だけでなく、補助金をも選択できるようになり、債務保証制度も導入された。このグリーン・ニューディール政策が米国での普及を促進し、カリフォルニア州以外にも展開が進んだ。

 補助金と債務保証制度は2011年でなくなり、連邦ベースの支援策はITCだけとなるが、パネル価格の大幅な低下を受けて、州政府などの支援策をも含めて、事業が成り立つ範囲が急拡大した。再生可能エネルギーで発電した電力の一定量を電力会社に買い取らせるRPS制度があり、電力価格の高い地域では、事業の採算が取れるようになってきた。発電システムの導入コストが電力小売価格と等価になる、いわゆるグリッドパリティへの到達である。

 2011年後半から米国内で、グリッドパリティが大きな論点となった。チュー連邦エネルギー省長官が言及し、大学などで真剣に議論がなされた。太陽光発電システムの長寿命化や低価格化に加え、時間帯別料金制度の導入などを前提にすると、グリッドパリティの時期は大幅に前倒しされるという論である。独立系の電力大手、NRGエナジーの社長は、「太陽光発電システムは幾何級数的にコストが下がるムーアの法則が当てはまっている」と語った。

 一方で、パネルメーカーは、過酷とも言える競争状態に突入し、特に中国メーカーの安値攻勢に音を上げる形で、2011年に多くの倒産、事業縮小、レイオフの例が生じた。エバーグリーン・ソーラー、ソリンドラなど、政府助成を受けた事業者をはじめ多くのメーカーが破綻した。

 米国ソーラーメーカーの顔であるサンパワー、ファーストソーラーにも異変が起きている。サンパワーは、フランスのエネルギー・ジャイアントであるトタルの出資を受け(6割)、世界随一のコスト競争力をもつファーストソーラーもリストラに着手した。グリーン・ニューディルの失敗という捉え方も増え、日本でもそうした文脈での報道が相次いだ。

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「破綻相次いだ米国の教訓とFIT後の日本」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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