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金正日の計画は「凶」と出た

米朝対話が再開しなければ、第3次核実験の可能性が高まる

  • 道下 徳成

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2012年4月23日(月)

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 北朝鮮が4月13日、人工衛星「光明星3」号を打ち上げるという名目で、「銀河3」と称する「運搬ロケット」を発射した。ロケットは午前7時38分に発射され、約1分間飛翔し、高度120キロ程度まで上昇したところで爆発した。その残骸は韓国の西方海上の広い範囲に落下した。

 人工衛星が軌道に投入されなかったのはもとより、ロケット自体も正常に飛翔しなかった。北朝鮮にとって政治的、軍事的、外交的に大きい打撃となった。

金正日の遺訓がもたらした皮肉な結果

 今回のロケット発射の失敗が具体的にどのような影響を与えるのか、今後の動きを見守るしかない。しかし、ロケット発射の失敗は、金正恩にとって間違いなく縁起の悪いものであった。

 そもそも、今回の人工衛星打ち上げは金正恩体制の発足を祝うためのものではなく、金日成の生誕100周年を祝賀するためのものであった。それが、たまたま昨年12月に金正日が死亡したため、金正恩体制の発足を祝うためのものになってしまったのである。金正日が死亡した時には、今回のロケット発射を含む2012年の北朝鮮のゲームプランは既にできあがっていたと考えられる。

 つまり、金正恩は父親がタイミング悪く死亡した結果、ロケット発射の失敗の責任をかぶる立場に置かれてしまった。これは、彼としては心外なことであったろう。しかし、北朝鮮指導部の中には、金正恩を含めて、金正日の決定を覆すだけの勇気を持つ人物が存在しなかったのであろう。

「総書記」が居てこその「第1書記」

 なお、ロケット発射と前後して、北朝鮮が金正日を「朝鮮労働党の永遠の総書記」ならびに「永遠の国防委員会委員長」としたのも、金正日の死のタイミングと関係があるかもしれない。

 そもそも、金正日は自身が生存している前提で、今年4月に、息子に「朝鮮労働党第1書記」と「国防委員会第1委員長」との肩書きを与えようとしたのであろう。自身は「朝鮮労働党総書記」と「国防委員会委員長」の肩書きをそのまま維持する意向だったと考えられる。そうしておけば、自身が死亡した場合、金正恩は自然に「朝鮮労働党総書記」と「国防委員会委員長」に就任できる。

 だが、金正日はこの段階に至る前に死亡してしまった。といって、いきなり金正恩を「朝鮮労働党総書記」と「国防委員会委員長」に就任させるわけにもいかない。しかたなく金正日を「朝鮮労働党の永遠の総書記」ならびに「永遠の国防委員会委員長」としたのであろう。これによって、金正恩はこれからの長い人生を「第1書記」と「第1委員長」という不正常な職名で過ごすことになる。特に、「第1委員長」という名称は形容矛盾であり、金正恩体制の前途多難ぶりを予感させるものである。

新指導者の門出を祝うイベントとしては、ハードルが高すぎる

 北朝鮮は今回のロケットを、北西部海の東倉里にある新しい基地から発射した。しかも地球の自転を利用できる東向きではなく、技術的にハードルの高い南向きに発射した。さらに、一部の専門家によると、今回のロケットは前回のものよりも推力が高いという。もしそうであれば、技術的には3つもの新しいハードル――新しい発射基地、南向き、高い推力――を同時にクリアしようとしたことになる。若い指導者の門出を祝うための手段としては明らかに不適切なものであった。

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