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「生徒が集まらない!」ピンチを乗り越え、ヨルダン、ルワンダに挑む

第3回:自分が壁を破れば、日本の同世代も変わるかもしれない

2012年4月24日(火)

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 前回では、ついに貧しい学生の中から、バングラデシュの「東大」と呼ばれるダッカ大学への合格者が生まれた。ここからこのプロジェクトは転換期を迎えた。(著者の最近の活動についてはこちら

 ハムチャー村で奇跡を起こした僕たちの「e-Education」プロジェクト。2年目となる2011年にはその教育革命をバングラデシュ全土に広げ、もっと多くの生徒にDVDで授業を受けてもらい、もっと多くの合格者を出したいと考えました。

 後から分かったことですが、こういう国際協力、社会貢献の分野で、大学受験に重きを置いた支援というのは、過去にほとんど例がないそうです。国連やユニセフ、JICA(国際協力機構)などが支援する場合は、小学校が対象になる。知識レベルのベースを揃えるため、初等教育の環境整備が重要と考えるからです。

 e-Educationプロジェクトは僕の大学受験での原体験から生まれているので、そういう“珍しい”分野に分け入ることになりました。他でやる所がないならば、よけいに僕らがやる意味があります。

 1年目のe-Educationプロジェクトでかかった費用は120万円ほど。恩師2人の支援で何とかプロジェクトを実現しましたが、今後、継続した取り組みとするためにも、2年目以降はソーシャルビジネスとして成立させたいという思いがありました。

DVD教材で受験勉強をする学生
DVD教材で受験勉強をする学生(写真:Takabow)

 2010年12月、僕はワタミ会長の渡邉美樹さんが理事長を務めるNPO法人「みんなの夢をかなえる会」が主催する「みんなの夢アワード」のファイナル大会でプレゼンテーションをしていました。「みんなの夢アワード」は一般から募集した夢の中で、一番応援したい夢を選出し、バックアップしてくれるというもの。「アジアの貧困地域に教育革命を!」という夢を掲げてプレゼンテーションした僕は、大賞と特別賞をダブル受賞する幸運に恵まれました。

 その後、渡邉美樹さんとワタミの支援を得て、ソーシャルビジネス・カンパニー「DDGソーシャルビジネス」を立ち上げました。

 バングラデシュでは毎年、約50万人の生徒が高校を卒業します。そのうち、国立大学に進学するのは3万7000人。ごく一部の富裕層の家庭で、予備校に通える生徒がそのほとんどを占めています。ハムチャー村では授業料は無料にしましたが、通常の予備校よりもずっと安い授業料であれば、有料モデルでも成り立つだろうと想定しました。

 教室にはインターネットカフェを使うことを考えました。こうすればパソコンを調達し、搬入する必要がなくなるからです。バングラデシュのインターネット会社で、全国に60カ所ほどのネットカフェを運営している企業があります。その企業と組み、中から5カ所のネットカフェを選んで教室を開くことにしました。5カ所で300人の生徒を集め、通常の予備校の10分の1以下の、1人600タカ(1タカ=約1円)の授業料を取る。e-Educationプロジェクトをソーシャルビジネスとして進化させる計画でした。

生徒が集まらず、計画は頓挫

 ところが、結論から言えば、この試みは失敗してしまいました。5カ所の村にある高校の正門前でチラシを配り、生徒を募集したものの、5月になっても、生徒がほとんど集まらなかったのです。

 なぜ生徒が集まらなかったのか。「映像授業」のコンセプトが伝わらなかったこと。プロモーションが下手で単なる新しい予備校と誤解されてしまったこと。足場がない地域で急に教室を開こうとしたこと。教育面のバックグラウンドを考慮せず、インフラ面に注目して場所を選定してしまったこと。理由は幾つか考えられます。有料モデル自体が、やはり難しかったのかもしれません。

 結局、僕の力が足りなかったということです。悩み、苦しんだ1年ですが、すごく良い勉強をさせてもらいました。その後、ワタミとの資本関係は解消しました。

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「“ドラゴン桜”早大生 バングラデシュから世界へ」のバックナンバー

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「「生徒が集まらない!」ピンチを乗り越え、ヨルダン、ルワンダに挑む」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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