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立ち上がるメガソーラー事業、買い取り価格42円は高いか安いか

「グリッドパリティ」に近づく太陽光発電【3】

2012年4月26日(木)

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 前回までは、ドイツ、アメリカを中心に、激変する世界情勢に焦点を当て、ようやく日本も太陽光発電の本格的な普及が始まりつつある状況を解説した。今回は、国内で期待高まるメガソーラー事業について、その事業性の議論、そして低コスト化のカギを握ると考えられる海外勢の参入動向について概観する。

 おりしも、4月25日に調達価格等算定委員会にて、委員長案という形で、太陽光発電は期間20年、価格42円との買い取り条件が提示された。事業者要求の水準がそのまま認められた形である。27日には委員会の最終案が決まり、それを受けた政府案がパブリックコメントにかけられる。その結果を踏まえて、5月下旬に正式に条件が決まる。42円という水準をどう考えるかも含めて、考察していく。

「1キロワット当たり30万円」で採算にのる

 前回も記したが、全国でメガソーラー計画が検討されている。ソフトバンクの孫社長は、同社に寄せられている話だけでも200件を大きく超えるとしている。また、計画として発表されたものは3月末時点で120カ所にも上る。

 この背景として、建設費が劇的に下がり始め、メガソーラーの事業化が現実味を帯びてきたことが大きい。パネルの価格低下はもちろん、周辺機器や工事のコストも大幅に下がる可能性が出てきた。数年前まではメガワット当たり8億円程度、内訳はパネルが3億~4億円、その他で4億~5億円とされていた。それが、パネル価格は1億円程度まで下がったとも言われる。

 「出力1メガワッド(1000キロワット)当たり3億円、すなわち1キロワット当たり30万円のコストで建設できそうだ」「この数字を前提にすれば、買い取り期間20年、買い取り価格30円台後半で事業が成り立つのではないか」「海外並みの事業環境を前提とすると数字はもっと下がりそうだ」――。事業者にはこんな認識が広がっている。

 3月19日に太陽光発電協会(JPEA)が「調達価格等算定委員会」に提出した資料では、事業規模2000キロワット(2メガワット)、発電効率の劣化率0.27%、所要敷地面積3万平方メートルの前提で、システム単価は1キロワット当たり32.5万円としている。これに電源線費用、土地賃借料などを加えた建設費を基に、買い取り価格はキロワット時当たり42円、買い取り期間20年を要望している。投資収益率(IRR)は税引前で6%である(資料1)

資料1.太陽光発電協会のメガソーラー・コスト試算

 これらの数字は、2011年12月に公表された「コスト等検証委員会」の報告書よりも低い水準になっている。同報告書では、事業規模1200キロワットで、システム単価は1キロワット当たり35万~55万円であった(2010年時点)。これを分解すると、モジュール18万円、インバータ5万円、付属機器4万円、設置工事費8万円となっている。これに対応する発電コストは、1キロワット時当たり30.1~45.8円であった(資料2)

資料2.メガソーラー現状価格
(1.2メガワット)
(出所)太陽光発電協会
    コスト等検証委員会提出資料(2011/11/8)

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「立ち上がるメガソーラー事業、買い取り価格42円は高いか安いか」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長