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「韓国も低成長期に」韓銀総裁が直言、2012年が転換点?

少子高齢化問題がついに顕在化、福祉予算拡大とジレンマに

2012年4月24日(火)

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 韓国が低成長時代に入る。少子高齢化が主因だ。同時に“福祉元年”も迎えた。貧富格差が拡大し、最大の政治的懸案に浮上したからだ。韓国は低成長下の福祉充実という難題に直面する。

韓銀総裁の衝撃発言

 金仲秀・韓国銀行総裁は4月18日、米ニューヨークのアジア・ソサエティで講演「出生率の低下と高齢化により韓国の成長率は次第に下がる。これに対する準備が必要だ」と述べた。韓国政府の要人が公式の席で「低成長期入り」を認めたのはおそらく初めてで、韓国社会に衝撃を与えた。

 韓国紙、中央日報は20日付社説でこの発言を引用。「高度成長に慣れた私たちにとって『低成長』はなじみのない言葉だ。遠い未来のことと考えられてきた低成長が目の前に迫っている」とショックを隠せなかった。この20年間、山や谷はあっても隣国、日本の長期低迷を横目に発展を謳歌してきた韓国人にとって「日本の停滞を後追いする」のは最も不愉快な予測だ。

2012年から始まる「低迷」

 ただ、世界では「韓国もいずれ低成長期に突入する」との見方が一般的になり始めていた。2010年、経済協力開発機構(OECD)は「韓国の潜在成長率が12年を転換点に大幅に鈍化する」との内容の報告書を発表した。それによると同率は10―11年の年平均4.0%から12―15年は3.7%に、16年―25年は1.9%と2%を割る。「低迷は今年から始まる」というわけだ。

 韓国の民間調査機関である現代経済研究院も今年1月、海外の研究を追う形で「潜在成長率の危機」という報告書を発表。韓国の潜在成長率は1989―97年が年平均7.4%、1998―2007年が4.7%、2008―2012年は3.8%と下がり続けていると分析。原因には投資不振、投入労働量の減少などを挙げた。いずれも典型的な「少子高齢化」の症状だ。(注1)

 韓銀は12年の経済成長率予測を、この1年間で4.8%(11年4月時点)→4.6%(同年7月時点)→3.7%(同年12月時点)→3.5%(12年4月時点)と急速に落としてきた。下方修正の理由は、当初は「欧州危機による輸出伸び悩み」といった外部要因が主だったが、次第に「消費」や「建設投資」、「設備投資」など国内要因に比重が移った。

●韓国と日本の実質GDP成長率

 内需不振が短期的なものなのか、あるいは「少子高齢化による体質変化」を示すものかについて韓銀は明確には言及していないが、金仲秀総裁の「低成長発言」は、後者の認識を反映したものだったのかもしれない。

 (注1)アジアの少子高齢化問題に詳しく、中公新書『老いてゆくアジア』を書いた大泉啓一郎・日本総合研究所主任研究員の計算によると、韓国の高齢化スピードは飛び抜けて速い。65歳以上の人口が占める割合が、7%から14%に増えるのに要する「倍加年数」を見ると、韓国は18年(1999年から2017年まで)。日本の24年(1970年から94年まで)と比べても高速であり、アジアで韓国よりも速いのは15年のベトナムぐらいだ。

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「「韓国も低成長期に」韓銀総裁が直言、2012年が転換点?」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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