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世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡

国立天文台・太陽系外惑星探査プロジェクト室(2)

2012年5月15日(火)

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 「コロナグラフ」と「補償光学装置」によって、太陽系外惑星の直接観測が可能になると前回書いた。

 この点において、日本のすばる望遠鏡は、世界最高の性能を誇っている。

 では、「コロナグロフ」「補償光学装置」とはなにか。

コロナグラフで主星を隠すための部品。これは太陽用なので巨大だが、田村さんが使うものも原理は同じだ。(写真:藤谷 清美)

 まずは、コロナグラフ。もともとは、皆既日食の時にしか観測できない太陽のコロナ(太陽から噴き出す電子などが出す光)を望遠鏡で観測するために考えられた。太陽を皆既日食のように覆う円盤を望遠鏡に取り付けて強すぎる光を遮り、まわりのコロナが見えるようにするものだ。それと同じ原理で、遠い恒星の光を遮蔽して、近辺にあるかもしれない惑星候補をさがす。田村さんはこんなふうに表現した。

 「明るい灯台があるとします。あえてその横にホタルを置きましょう。実はわたしたちは、そのホタルのほうに興味がある。灯台の光がこっちを向いてるときはどうしようもないので、灯台の光が横を向いて暗くなったときに観測すればいい。これは日食の時の観測と似ているわけです。実はすばる望遠鏡で普通の星を観測したら、非常に明るくなってしまって、この場合の灯台や太陽を見ているようなものなんですよ。だから、明るい恒星を隠してしまおうということなんです」

 すばる望遠鏡のコロナグラフは、HiCIAO(ハイチャオ)という愛称で呼ばれている。前代のCIAO(チャオ)の後継機だ。つまり、系外惑星の直接観測も、すでに第二世代に入っているということでもある(本当に油断も隙もあったものではない)。

すばる望遠鏡の”補償光学装置“HiCIAO。(画像提供:国立天文台)

 「透明な基盤の上に蒸着した金属の膜で遮蔽します。見た目はごく小さな黒い膜ですね。基盤の上の大きさでは10ミクロン精度が必要ですし、角度でいうと0.3秒角とか0.2秒角くらいなんです。日本の非常にいい条件のところで夜空を見たときに、星が多少瞬いて見える。あのサイズが1秒角。それよりも小さい部分だけを隠すことができるんです」

 ここで、え? と思った読者は鋭敏だ。

 星々の瞬き、つまり、大気の揺らぎの影響が1秒角分あるなら、0.3秒角や0.2秒角といった小さな所を隠しても、意味がないのではないか。星像がぶれた分、光が漏れてしまうのでは?

 これをなんとかするのが、補償光学装置だ。

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「世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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