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かつて太陽は連星だった!?

国立天文台・太陽系外惑星探査プロジェクト室(3)

2012年5月16日(水)

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 すばる望遠鏡では、コロナグラフと補償光学装置を使って、太陽系外の惑星を直接観測できるようになった。このことの凄みは、初回に説明した。なにしろ、きちんとした像として、惑星を捉えるわけだから、引き出せる情報量が増すし、あらゆる意味で説得力が違う。

 それに加えて、もうひとつ直接観測のメリットがある。主星を見るだけの間接的な観測法では絶対に分からないこと。つまり、惑星のあるなしに関わらず、主星の周囲の状態を観察できるということだ。

 と書くとなんだかややこしいが、要するに、これまで観察されたことがなかった「恒星のまわり」には、興味深いものがたくさんある、のである

コロナグラフと補償光学装置を使ってすばる望遠鏡で直接撮影した“原始惑星系円盤”。中央の黒い円がコロナグラフで隠した主星の場所。原始惑星系円盤のこのレベルの画像は、ほかの望遠鏡ではまだ撮れない(画像提供:国立天文台)

 とりわけ、まだ惑星ができる前の状態、つまり、いわゆる“原始惑星系円盤” の観測は、田村さんの研究チームの主なテーマのひとつになっている。これも、すばる望遠鏡が、世界に先んじて、成果をあげている分野だ。

 「ほかの望遠鏡ではこんな画像は撮れないというのが撮れるようになってきています。以前のCIAOやこれまでのコロナグラフでは、主星のまわりに“原始惑星系円盤”があって、その外側に模様があるという程度は見えていたんです。HiCIAOでは、いろいろな恒星のまわりの円盤で、隙間があったりとか、濃いところ、薄いところがあるとわかってきています」

 “原始惑星系円盤”とは、若い恒星の周囲を取り巻く濃いガスが回転してできるもので、そこから惑星が生まれてくると考えられている。

 ぎょしゃ座AB星と呼ばれる年齢100万年程度の若い恒星のまわりの画像を見せてもらった。

 2004年に前代のCIAOで撮影したものと、現在のHiCIAOで撮影されたものでは、まったくディテールが違う。内リングと外リングと二重のリングがあり、その間にギャップがあるのも見て取れる。ギャップの位置に巨大な惑星ができているかもしれない、というのが田村さんのチームの見立てだ。100万年の若さの星にすでに惑星が出来ているとしたら、これまで1000万年以上はかかるとされていた惑星形成モデルに新たな課題が出されたことになる。

 さらにぼくが驚かされたのは、いわゆる連星、双子の恒星がつくる原始惑星系円盤だ。

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「かつて太陽は連星だった!?」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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