• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

交渉上手になるために生まれたインド人と交渉する時の作法

「日本企業にはがっかりさせられる」と言われないために

  • バルビール・シン

バックナンバー

2012年5月1日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 世界はどんどんフラット化している。それにつれ、国境を越えた交流は以前にもまして意義深いものになっている。ところが、交渉となると、それがうまくいかないケースも多い。「契約や合意を結ぶ時はどんな場合でも相手側の企業や国の文化や経験を理解しなければならない」というのはロビイストのような交渉のプロの間では常識なのだが…。

 日本企業のインドへの投資が増えるに伴い、この常識が改めて認識されている。特に、両国間の協業で、文化や実行面で明らかな違いがあった場合には、関係者はそれを痛感する。

 異なる市場で、ビジネスを日々運営し拡大することは、経済的な活動であるだけではない。社会に入りこみ、文化に溶け込み、現地について理解を深めることでもある。海外進出を日本が狙っており、インドは重要な進出先の1つである以上、日本企業やその経営陣がインドの現地で起きている現実を理解することは不可欠だ。今回は、インド人やインド企業との交渉をうまく進める方法についてまとめる。

 まず、前提としてインド人の気質について考えてみよう。

 インドでは、人々が社会システムの枠組みを超えて活動してしまうことがよくある。政府などでの担当者が代わると、前任者が設けたシステムの働きが大きく変わることもあるほどだ。

 一方で、日本のような先進国では、人々は社会システムに従って活動する。なので、担当者が代わってもシステム全体はたんたんと続いていく。

 インドでは個人の能力は素晴らしく、企業家精神に富んでいる。それが社会システムとなると、ルールやプロセスに従うと閉所恐怖症に近い感覚に陥ってしまう。

 資本をあまり必要としないビジネス、たとえばITなどの分野で、実績を残したインドの起業家が目立つ。インドにある日系商社の拠点では、ほかの拠点に比べて社内の規則が厳しくないと言われる。いずれも、上記のインド的な気質が理由だろう。

 では、実際に交渉に入るとどうなのか。

 インド人と交渉すると、声が大きいのだけど支離滅裂で、参加しているメンバー同士で調整できていない。交渉の進め方についてどうもプランを持っているわけではないようだ、という感想を持つ外国人投資家は多い。

 私はインドに事務所を構え、日本企業の仕事を受けることが多い。そこで、日本企業がインドの企業などとうまく取引や交渉をする何か特別な方法がないか、といつも考えている。インド人はその文化の中で訓練を積んだタフネゴシエーターであり、残念ながら洗練された部分が少ない。インドのビジネス界で成功するためには、最低限、文化や社会、企業における実務を理解しなければならない。

 一般的に、どんな取引でも交渉は3つのステージによって成り立っている。(1)基礎情報の共有、(2)法的拘束力のない条件規定書のレベル、(3)最終合意の段階――だ。そしていずれの段階でも参加者に応じて特有の力学がある。各々の段階について冷静に判断しながら、話を進めていくことは重要だ。

(1)基礎情報の共有の段階について。両社が情報を完全には交換していなかったり、投資側が完全な情報を入手していなかったりするような段階では、社員や、特に経営陣の重要なメンバーが相手方に会うことはお勧めできない。

(2)法的拘束力のない条件規定書は、すべての情報が交換できた後で結ぶ。この段階で、交渉の範囲は、投資のサイズ、役員会の役割、非公開の情報、争議の解決などまでを含むこともある。この契約後に本格的な調査に入り、買収価格やリスク評価が終わった段階で、両社は交渉に入り相違点を明確にしていく。

(3)最終合意は、交渉が完了し合意がなされた項目から結んでいけばよい。ここで、法的拘束力を持つ書類を作っていく。株主構成、持ち株比率やジョイントベンチャーの設立などもここでの決定していかなければならない。

 この3つの段階を円滑に進めるためには、次にあげるエピソードを読んでいただければ分かりわかりやすいだろう。

「進出を考えるなら知っておきたいインド法律事情」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授