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第四回 南北スーダン軍事衝突激化で日本の自衛隊はどうなるのか

2012年5月7日(月)

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南北スーダンが「最悪」の軍事衝突

 南スーダンとスーダンの間で軍事衝突が起きている問題で、南スーダンに派遣されている陸上自衛隊の活動に影響があるのかどうかに注目が集まっている。陸自側は深刻な事態ではないと分析しているものの、田中直紀防衛相が調査団の派遣を決めたことで、2次隊の派遣が遅れる可能性も出てきた。

 今回、南北スーダンの関係が悪化したのは、南北国境地域で両国が共に「自分たちのものだ」と主張している油田地域ヘグリグを、4月10日に南スーダン軍が軍事占領したためだ。南スーダンは昨年7月に独立し、北側の「スーダン」とは別の国家になったわけだが、このヘグリグを含め、領有権をめぐって係争中の問題がいくつもある。

 南スーダンには油田がたくさんあるが、石油を輸出するにはスーダンを通過するパイプラインで輸送するしか手段がない。しかし、この石油収入の配分をめぐっても両国はもめており、今年の1月以降、スーダンはこのパイプラインを止めてしまい、南スーダンは石油を輸出できなくなり、生産を停止したまま両国間の対立は続いていた。

 こうした中で4月10日に、それまでスーダン側が支配していたヘグリグを、南スーダンが軍事占領してしまったことから、両国間の軍事衝突がエスカレートしたのだった。

 私はちょうどこの4月10日に再び南スーダンに入っていた。別に軍事衝突を予想していた訳ではなくまったくの偶然だ。南スーダン軍がヘグリグを支配下におさめると、スーダン政府はこの戦略的に重要な油田を奪還すると宣言してスーダン軍を送り、昨年夏の南スーダン独立以来最悪の軍事衝突に発展した。

 私は翌日に南スーダン北部のスーダンとの国境に近いマラカルという町に入った。ヘグリグの北40キロ地点で両軍が衝突したとのニュースが流れ、ホテルでは現地の人たちが食い入るようにテレビのニュースを観ていた。空軍力で優勢を保つスーダン軍は空からの攻撃を激化させ、国境を大きく超えて南スーダン側に侵入し、南スーダン・ユニティ州の州  都ベントゥへの空爆を開始した。私のいたマラカルからは200キロほど離れていたが、南スーダンの民間人にも死者が出たため、緊張が高まっていった。

 ヘグリグ周辺では両軍の衝突が本格化し、南スーダン軍がスーダン軍の戦車を2両破壊したとか、戦闘機を撃墜したといった報道が流れ、スーダン軍は南スーダン軍の補給路をたたくべく、ユニティ州への空爆をエスカレートさせた。私のいたマラカルのある北ナイル州の北部でも、スーダンの支援を受けた民兵(ゲリラ)組織が南スーダンの警察署を襲撃するなど、スーダン側が南スーダン軍の後方を攪乱する作戦に着手した様子が確認された。直接的な軍事的な脅威は高くなかったものの、マラカルでも水や燃料といった生活必需品が市場から消え、物価がみるみる高騰していった。また、民間機が軍に強制的にとられるといった事態も発生して交通も混乱した。

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「第四回 南北スーダン軍事衝突激化で日本の自衛隊はどうなるのか」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師