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「低価格競争に敗れた」が本当か考えてみよう

ジーンズメーカー、ボブソンの再生断念から何を学ぶか

2012年5月8日(火)

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 日の丸ジーンズメーカーとして有名なボブソン(東京・港)が4月26日、東京地裁から民事再生手続きの廃止決定を受けた。

 同社は2011年5月2日に民事再生法の適用を申請。その後、再生手続きの開始決定を受け、再生を目指していた。しかし、民事再生法の適用申請からもうすぐ1年というところで、再生を断念。今後は破産の手続きに入る。

 この結果に筆者は「ああ、やっぱり」という感想を持った。民事再生法の適用を申請すると、たいていは半年ほどで再生か断念かが決まる。ほぼ1年間も放置された例は珍しく、その時点で再生は相当難しいのではないかと思っていた。

 このニュースを受けて、新聞紙面などでは「ボブソンが再生断念 激安ジーンズに勝てず」(時事通信)といった見出しが躍っている。ボブソンは激安ジーンズに負けたというのがその主旨のようだ。しかし、これは間違った認識である。激安ジーンズの影響が皆無とは言わないが、それは1つの小さな要因に過ぎない。ボブソンが負けたのはほかに理由がある。ボブソンだけではなく、かつての大手ジーンズ専業ブランドがことごとく苦戦しているのも同じ理由である。

激安ジーンズの流行前から苦しかった業績

 ファーストリテイリングが運営する「ジーユー」の990円ジーンズに引っ張られる形で、イオンやイトーヨーカ堂をはじめとする量販店各社が1000円以下の激安ジーンズを店頭に投入したのは2009年秋のことである。

 ボブソンは1970年代に誕生し、一時期は一世を風靡したものの、2009年の時点で既に業績不振となっており、企業再生ファンドであるマイルストーン ターンアラウンド マネジメントへの営業譲渡が発表されていた。これが2009年8月のことである。今回破綻したのは、営業譲渡を受けた「新」ボブソンだ。激安ジーンズが一般的になる前に既に業績不振となり営業譲渡が決められていたのだから、「旧」ボブソンの苦戦の理由が激安ジーンズではないことが分かる。

 さらに付け加えるなら、激安ジーンズが大きな話題となったのは2010年半ばまでのことであり、2011年以降はまったく注目されなくなった。旬の時期は2009年秋から、わずか半年強で終わっている。ジーンズメーカー関係者の言葉を借りるなら、まったくの「あだ花」である。

 現在でも西友には850円ジーンズが雑然と並べられているが、売り場に2009年秋ほどの熱気はない、というか皆無だ。イオンしかり、イトーヨーカ堂しかりである。ファッションに詳しい関係者の中には「まるでゴミのように販売されている」と評した人もいる。最近では新規製造オーダーの噂も聞かないから、在庫品をいまだに売っているのかもしれない。

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「「低価格競争に敗れた」が本当か考えてみよう」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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