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韓国でまた米国産牛肉にNO! 北朝鮮の影チラリ

FTA、海軍基地でも反米の火の手?

2012年5月8日(火)

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 韓国で米国産牛肉の輸入反対集会が開かれた。野党と反政府団体が主導するもので、政治色が濃い。背後には「核ミサイルも援助も手に入れたい」北朝鮮の影がちらつく。

韓国の量販店では販売中止

 米国産牛肉の輸入反対集会は、4月24日に米国で牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)が見つかったことがきっかけだ。日本を含め米国産牛肉の輸入国ではさほど話題になっていない。しかし韓国では大きく報じられ社会問題化した。大手量販店は消費者の反発を懸念し、販売を直ちに中止した。一方、政府は「問題なし」と判断し、検疫をやや強化したうえで輸入を続けている。

 韓国で大騒ぎになった理由は3つ。まず、韓国人がBSE恐怖症と言えるほど根深い恐怖感を持っていることだ。2008年に李明博政権が米国産牛肉の輸入制限を緩和した際、メディアが「米国産は全て危険だ」とのイメージを国民に徹底的に刷りこんだためだ。

 2つ目は李明博政権の対応のまずさだ。国民が異常な恐怖感を抱いているというのに、説明も対策も後手に回った。そのため「親米派の李明博大統領が米国の顔色を伺って国民の健康を軽視している」との印象を与えてしまった。

 3つ目は、4月の総選挙で過半数を取れなかった野党が、態勢挽回のチャンスとばかりに、この問題を利用したことだ。政府の不誠実さを徹底的に暴き、国民の不満を盛り上げて12月の大統領選挙につなげる構えだ。

 そもそも、4年前に韓国人にBSE恐怖症を刷りこんだのは左派の野党だった。反・李明博色の強かったテレビ局が「米国産牛肉を食べると直ちに狂牛病にかかる」といわんばかりの番組を放送、国民の間にパニックを起こした。さらに、左派系のいわゆる「市民団体」と野党が連夜、大規模な輸入反対集会を開いた。

「韓国の野性」に世界が驚く

 当時、一部の参加者は暴徒と化し、鉄パイプで機動隊を襲撃。政府に近いと見られた保守系紙の記者を捕まえて暴行を加えた。外国テレビ局のカメラクルーや、西洋人観光客まで取り囲んで威嚇した。ソウル中心部は連夜、交通がマヒし、ブッシュ大統領(当時)の訪韓計画も頓挫。李明博大統領が国民に不手際を謝罪するまでの2カ月間以上、首都は無政府状態に陥った。世界は「韓国の野性」に驚いた。

 今回もBSEに感染した牛が米国で発見されると、左派のハンギョレ新聞が先頭に立って「2008年当時、首相が『米国で狂牛病が発生したら直ちに輸入を止める』と会見で約束していたではないか。背信行為だ」「検疫を参観した政府高官は肉の臭いをかいだだけ。それでBSEが発見できるのか」などと連日、政府の不実を激しく非難した。

 ハンギョレ新聞の批判の矛先は政府に留まらない。「農林水産省は検疫を中止(事実上の通関中断)しようとしたのに、米国との貿易摩擦を恐れた青瓦台(大統領府)が続けさせた」「タイやインドネシアは輸入を中止した」とも報じ「韓国を脅して儲ける米国」や「米国の言いなりになっている情けない韓国」への怒りも掻き立てた。

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「韓国でまた米国産牛肉にNO! 北朝鮮の影チラリ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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