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笑う門には「票」来たる

第2回 顔認証技術が明らかにした無責任な投票行動

2012年6月13日(水)

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 前回、有権者は、かなり自己中心的な理由で投票するか棄権するかを判断していることを指摘した。今回は、投票所に足を運んだ有権者が、どのようにして投票先(特に、候補者)を決めているかを論じたい。データを使った研究結果が示すことは、かなり「ヤバい」かもしれないからである。

「まっとうではない」有権者の姿が明らかに

 さて、「投票先(政党あるいは候補者)を決める上で、最も重視した点は何ですか」という問いに、多くの有権者はどのように答えるだろうか。あるいは、候補者やメディアは、どのような投票理由を予想するだろうか。

 この問いは、既に多くの選挙後世論調査の調査対象項目となってきたので、具体的な数字を挙げよう。2009年衆議院選挙後に実施された「JES4」という調査によると、小選挙区の候補者を有権者が選ぶ上で最も考慮した理由は、「政党支持」(43.5%)である。以下、「候補者の人柄」(15.7%)、「各党の政策」(11.5%)、「地元の利益」(7.2%)、「候補者の政策」(5.6%)と続く。

 政治学者による学術研究でも、従来は政党や候補者の政策ポジションやイデオロギー、(具体的な政策とは独立した)候補者の資質、政党や候補者が有権者にもたらす具体的な利益などが、投票先を判断する上での重要な理由と考えられてきた。また、そのような研究の蓄積があるからこそ、世論調査における質問で、上記のような選択肢が設定されてきた。

 しかし、ここ数年、有権者は上記のような「まっとうな」理由ではなく、かなりどうでも良い、政治とは関係のない理由で候補者を選んでいると結論づける「まっとうな」学術研究が増えてきている。例えば、選挙直前のアメフトの試合で地元チームが大勝するほど現職候補者の得票率が上がるとか、「美人(ハンサム)」な候補者ほど得票率が高くなる、といったことが明らかになっている。ここでは、筆者(堀内)自身による、候補者の笑顔が得票率に与える影響を推計した研究を紹介したい。

 候補者の顔(および表情)が、有権者の投票行動を決める上での一つの要因であることは、米国政治の研究領域においてかなり以前から指摘されてきた。しかし2005年に米プリンストン大学のアレクサンダー・トドロフ教授らが、世界で特に権威がある学術雑誌の一つとされている「サイエンス」に論文を発表して以来、候補者の顔と投票行動の関係を、ハイテクを駆使して計量的に推計する研究が急増している。

コメント2件コメント/レビュー

この記事を読んで街中にある選挙を意識した人たちのポスターを見たら、どの顔も笑顔を作っていますね。やはり「笑う門には票来る」を意識しているのでしょう。だからと言って「笑顔がすべてさ」とばかりに有名タレントやスポーツ選手を立てて人気投票化することになれば民主政治を根本からゆるがす事態になりかねないと心配しています。普通の有権者は「心からの笑顔」か「作った笑顔」かを判断できるものだ、と信じたいのですが・・・。(匿名)(2012/06/22)

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「笑う門には「票」来たる」の著者

堀内 勇作

堀内 勇作(ほりうち ゆうさく)

米ダートマス大学三井冠准教授

シンガポール国立大学助教授、オーストラリア国立大学准教授を経て現職。2001年米マサチューセッツ工科大学(MIT)政治学博士(Ph.D.)。専門は比較政治学、計量政治学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事を読んで街中にある選挙を意識した人たちのポスターを見たら、どの顔も笑顔を作っていますね。やはり「笑う門には票来る」を意識しているのでしょう。だからと言って「笑顔がすべてさ」とばかりに有名タレントやスポーツ選手を立てて人気投票化することになれば民主政治を根本からゆるがす事態になりかねないと心配しています。普通の有権者は「心からの笑顔」か「作った笑顔」かを判断できるものだ、と信じたいのですが・・・。(匿名)(2012/06/22)

んー・・・・その記事が事実だとすると政治家みんな美男美女の笑顔しか居ない事になりませんかい? 第一、同じ意味での現象として株があります(美女コンテスト的な)が、必ずしも「美女だから買われる(投票される)」のではなく「美女すぎて敬遠される」という現象もある訳です。 更に言えば、基本的に投票意欲を高めるのは候補者がはるばる遠方までも来訪して握手するような時ですね。老人票の大部分はそうした候補者へ票を投じようとしてるのですから。(2012/06/13)

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