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若者が変わり始めたのに、大人と社会が変われない日本

第5回:米倉誠一郎・一橋大教授に聞く、ソーシャルビジネスで頑張る若者たち

  • 伊藤 暢人

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2012年5月15日(火)

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 早稲田大学の学生である税所篤快さんは、バングラデシュに乗り込みDVDに録画した現地の有名予備校講師の授業を使った勉強方法を取り入れた(第1回)。地方の貧困な学生を励ましながら、なんとか1年目に名門ダッカ大学などに生徒が合格させた(第2回)。そして、2年目にバングラで教室を拡大しようとしたものの挫折、3年目はその経験をバネにルワンダやヨルダンにまで展開を広げようとしている(第3回)。一見、無鉄砲にも見える活動は、どのように受け止めればいいのだろうか。前回に引き続き、税所さんが師と仰ぐ、一橋大学の米倉誠一郎教授に聞いた。

(聞き手は、伊藤暢人)

今、アメリカでは人気就職先はソーシャルビジネスに移っています。

米倉:はい。「ティーチ・フォー・アメリカ」はウェンディ・コップさんが1990年にプリンストン大の卒業論文で「アメリカの若者たちを公立学校の先生に2年間させよう」と書いたことから始まりました。それに、ロス・ペローとかアメリカのゴールドマン・サックスが面白いと言って資金を提供したのです。グーグルをはじめとする各社はティーチ・フォー・アメリカに参加した人については、就職を2年間猶予することにしています。それほど学生が参加し、人気もある。プレステージになっている。

 翻って日本。大手町を中心に、みんな同じ格好をして駆け回っているあの黒い服の集団は醜くないでしょうか。人生の中で一番いい時に、就活だとか何か、面接だとか言って、同じような恰好で走り回っている。日本企業が、ソーシャルビジネスとか、海外青年協力隊をやっているような人間を優先して採るというふうになれば、学生たちの行動が変わるんですが。

 だから、いま、就活はお構いなしで、海外に行っている若者がいるのがうれしいじゃないですか。
 彼らはきっと伸びると思いますよ、何をやらせても。

日本企業には採用に対する姿勢を変えてほしいですね。

一橋大学イノベーション研究センター 米倉誠一郎教授(写真:丸毛 透、以下同)

米倉:この間、ある企業トップの集まりで話しました。あなたたちはずっといい学生が採れてないから、20年間低迷しているんです。それを忘れないようにと。こんな採り方をしていたら日本の企業はよくならないですよ。ダイバーシティーはゼロ、グローバルな見地もゼロですから。

 イノベーションの源泉はダイバーシティーなんですよ。日本企業がどんどんイノベーティブじゃなくなっていくのは、ダイバーシティーがあるように見せかけて、実は根こそぎ排除しにかかっている。採る時からそうでしょう。

では日本の20代の若者が一生懸命、殻を破って外に出ていっている。アメリカや、韓国、イギリスの学生たちと比べるといかがでしょうか。

米倉:日本人だって負けてないですよ。
 早くから出ていっている学生たちは自分たちの言葉で考えられるし、自分たちの能力で戦える。すごいなと思うのは、こんな汚いところで寝るの? というところでも平気で寝る。そういうバイタリティーは世界中に負けない。大丈夫ですよ。そういう現場力はいいんですよね。

 それで2~3年か、4~5年頑張り、大きな企業に入ったらいいと思います。それでまた4~5年頑張って大学院に行く。そうすれば、ワールドスタンダードな知識が身につきます。本当の勝負は32~33歳からじゃないですか、弁護士、ソーシャルビジネスでも、国会でもいい。何かしらの専門家になってほしい。そういうキャリアパスになってくると、幅が出てきますよね。

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