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実現しなかったかもしれないICカード改札

鉄道標準化の大波がやって来た(前編)

2012年5月21日(月)

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 やや古い話になるが、昨年末から今年の年始にかけて、野田首相や政府高官がインドに赴き、日本の高速鉄道を売り込むための積極的な活動を開始したというニュースをご記憶の方も多いに違いない。インフラ輸出を経済回復の旗頭に据える日本産業界にとっては、ありがたい政府の支援だと言えるだろう。

 しかし、インドの高速鉄道構想6路線の調査事業うち、1路線は優先交渉権獲得して日本勢がほぼ受注を決めたものの、4路線については欧州勢が獲得していると報道された。これを見ても欧州が優勢であることがうかがえる。

政府調達における国際標準の威力

 なぜ欧州勢はこれほど強いのか。図1をご覧いただきたい。国際標準化機構(ISO)の専門委員会TC269「鉄道分野」<注1>がつい先ごろ新設された。このTC(テクニカル・コミッティー、専門委員会)の新設に欧州勢の強さを支えるしたたかな国際戦略の一端をみることができる。

<注1>Railway applicationが正式名であるが,Scopeを読むとapplicationは極めて広い意味で用いられているため,筆者の感覚で「鉄道分野」と仮訳した。

今年設立されたばかりのTC 269(鉄道分野)

 前回ご紹介したTC 268「コミュニティの持続的開発」に続いて投票が行われていたもので、番号が269と与えられ、2012年5月現在、ISOにおける最新の専門委員会となった。幹事はドイツであるが、この提案はフランスとドイツの共同提案である。今後も両国が実質的に主導していくことになるだろう。

 筆者が冒頭の導入エピソードからこのTC 269に話をつないだのには理由がある。1995年に締結された世界貿易機関(WTO)の政府調達協定の存在である。本協定では、「中央政府の機関、都道府県、政令指定都市などの地方政府の機関およびその他の機関」を対象として、「(調達品の)技術仕様については、国際規格が存在するときは当該国際規格に基づいて定める(第6条2項)」とされているからだ。

 この政府調達協定と国際標準が絡む過去に日本が経験した実エピソードを紹介しようと思う。標準化に直接携わっている方々にはよく知られた事例ではあるが(例えばのこの資料の5ページ)、駅の自動改札で皆さんが日々使っておられるICカードに関する話だ。この話をご理解いただくと、TC 269の設立がどれだけ重要な意味を持ってくるか分かる。

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「市川芳明 世界環境標準化戦争」のバックナンバー

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「実現しなかったかもしれないICカード改札」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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