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「消費が二極化している」って本当ですか?

ジーンズメーカー、ボブソンの再生断念から何を学ぶか(その2)

2012年5月22日(火)

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 2012年4月26日に民事再生手続きの廃止が決定し、清算されることになった大手ジーンズメーカーのボブソン。一般紙や経済誌は「低価格品に敗れた」「激安ジーンズの影響」と分析しているが、それが表層的であることは以前に触れた。ボブソンを始めとする大手ジーンズ専業ブランドは低価格品に敗れたのではなく、SPA(製造小売り)ブランド、総合アパレルなどに敗れたこと、そして大手ジーンズ専業ブランドが急ピッチで進めなくてはならない作業として、1.トータルブランド化、2.直営店の積極的出店を挙げた。

 メディアでは低価格化の議論に関連して「消費の二極化」というキーワードがよく登場する。ファッションで言えば、ユニクロやしまむらに代表される低価格ゾーンと、ルイ・ヴィトンなどの高級ラグジュアリ―ブランドの両極は動いているものの、中間価格帯の商品やブランドが動かないとされる。今回のボブソンの清算に象徴される大手ジーンズ専業ブランドの苦戦もこの「消費傾向の二極化」が影響していると指摘するメディアもある。確かにそのような傾向はあるようにも思える。しかし、中間価格帯の商品は本当に売れなくなったのだろうか。ことジーンズに関して言えば、筆者はそのようには感じていない。

ユニクロとビンテージジーンズの狭間で

 かつて、リーバイスやエドウイン、ビッグジョン、ボブソンといった大手ジーンズ専業ブランドの主力商品は7900~8900円だった。これは筆者が販売員をしていた1995年当時の記憶である。エドウインの505Zが7900円だったし、ボブソン最大のヒット商品であるソフトジーンズ「04(ゼロヨン)ジーンズ」も7900円だった。リーバイスも7900円の商品が豊富にあった。

 ちょうどその頃、ビンテージジーンズブームが訪れる。ビンテージジーンズとは古い年代のジーンズで、年代物の古着ジーンズは何万円、何十万円という価格で売られ、年代物ジーンズのレプリカ商品も2万~3万円で販売された。このブームに引きずられるようにして大手ジーンズ専業ブランドの価格もジワリジワリと上昇していった。その結果、いつの間にか、大手ジーンズ専業ブランドの価格は9800円以上という状況になった。

 一方で1999年頃からはユニクロブームが起き、低価格品が注目を集め始める。当時のユニクロのジーンズは2900円。今のユニクロの3990円ジーンズと比べると色やシルエットが今一つ垢ぬけておらず、大手ジーンズ専業ブランドの7900円の商品との見た目の格差は歴然としていたが、それでも評価は高かった。市場では2900円の低価格ジーンズと、2万円前後の高額ジーンズの両極に注目が集まり、1万円程度だった大手ジーンズ専業ブランド各社の商品への注目は少しずつ低下していった。

 さらに、大手ジーンズブランド各社は2000年を越えたあたりから、ローライズジーンズブームに乗ってレディース向け商品で百貨店への販売を強化する方針に出る。ボブソン、ビッグジョンの「ブラッパーズ」、エドウインの「サムシング」、タカヤ商事の「スウィートキャメル」などである。そして、2004年後半ごろからは、高額なインポートジーンズのブームが始まる。

 米国やヨーロッパを拠点に活動するジーンズブランドが日本に輸入され、大ブームとなったのだ。店頭価格は最低でも1万9800円。高額な物は3万9800円くらいになった。これに百貨店も飛びついた。その結果、百貨店には大手ジーンズ専業ブランドのレディース商品とインポートジーンズが並存することになった。

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「「消費が二極化している」って本当ですか?」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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