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中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国

韓国もホントは嫌な中国とのFTA

2012年5月22日(火)

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 中国と韓国がFTA(自由貿易協定)交渉を正式に開始した。日本のメディアは「日本外し」と危機感を募らせる。だが、意外にも韓国の表情はさえない。

「日本に勝った!」の大合唱起きず

 中国と韓国は5月2日、FTA締結に向けた交渉開始を宣言した。一方、日本は日韓FTA交渉開始のめども立たず、日中韓FTAに関しても年内交渉開始の合意を5月13日にかろうじて取り付けただけだ。一部の日本メディアは「日本の出遅れ」を強く批判した。

 5月3日付の韓国の中央日報はすかさず引用し「『日本はまた蚊帳の外』と日本経済新聞は報じた。韓国に後れをとることになった日本の心情を表した」と報じた。“日本の凋落”という話が大好きな韓国メディアだから、こんな記事が載るのも別段、不思議ではない。

 興味深いのは「日本の失態」程度の記事で収まり、韓国が米国やEUとFTA交渉を開始した時のように「国際化でも日本に勝った!」式の大合唱が起きなかったことだ。実は、韓国人も中韓FTAを手放しで歓迎していないのだ。

中国産キムチが怖い?

 中央日報は同じ日の社説で中韓FTAに関し「ほかのFTAと比べ国内への影響が比較にならないほど大きい。より慎重なアプローチが必要だ」「現政権は(残り半年強の)任期内に仕上げようと欲張らず、最終交渉は次の政権に任せるべきだ」と「慎重」「先送り」を執拗に訴えた。韓国は何を恐れているのだろうか。なぜか、この社説は明確には触れていない。

 通常、中韓FTAの問題として指摘されるのが農産物だ。韓国はニンニクや白菜など韓国人にとって主要な農産物を中国からも輸入している。また、キムチなど農産加工品も同様だ。中韓間の価格差は大きく、もし、FTAで関税がなくなれば韓国の農家は「米国やEUとのFTAではありえなかった」壊滅的な打撃を受けるという。

 だが、日本の通商専門家は、農産物は大問題にならないと見る。中国は韓国が気にする農産物は「敏感品目」に認定することを受け入れ、韓国がこれまで中国産にかけてきた税率の維持を認める可能性が高いからだ。

 中国がFTAを結ぶのは自国産業の発展という経済的目的よりも、相手国との関係深化という政治的動機が強い。熱帯農産物の対中輸出を増やしたい東南アジアに対し譲歩、自国の関税率を落として一気にFTAを妥結に持ち込んだこともある。

コメント14件コメント/レビュー

センセーショナルなタイトルがまず目を引きました。内容も大国化する中国のはらむ恐るべき面を、韓国を通して語る、なかなかよい着眼です。そして提起された問題点はそれぞれこれからのわが国がいつか対峙することを迫られることでもあり、大変示唆に富んでいるといえます。TPPとの関係はどうかという点がこれからの課題ですね。(2012/05/22)

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「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

センセーショナルなタイトルがまず目を引きました。内容も大国化する中国のはらむ恐るべき面を、韓国を通して語る、なかなかよい着眼です。そして提起された問題点はそれぞれこれからのわが国がいつか対峙することを迫られることでもあり、大変示唆に富んでいるといえます。TPPとの関係はどうかという点がこれからの課題ですね。(2012/05/22)

たしか日経さんの記事はやたらTPPを推進してた気がするんですけど、アメリカは良くて中国はまずいっていう立ち位置ですか?(2012/05/22)

内需主導の日本と外需主導の韓国を同列に論じているのはいかがなものかと思う。いずれにせよ、「日本のあり方」をまともに考えるマスコミや政治家が必要なのだろうが、実際はそれとは逆の動きしか見えてこない。そういう意味では、このコラムは一石を投じたのではないだろうか・・・TPPにしても中韓FTAにしても「日本の利益」を考えていない人・・・というか呑気な人が多すぎるのが日本の良いところであり問題点でもあるような気がする。マスコミに騙されているだけという話もあるが。(2012/05/22)

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