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地熱開発に3つのハードル

世界第3位を誇る地下資源を生かす【2】

2012年5月24日(木)

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 前回は、大きな資源ポテンシャルをもち、原子力代替電源として適している地熱発電に対する期待が急速に高まっていること、開発のドライバーとなる再生可能エネルギー電力固定価格買い取り制度(FIT)の条件は事業者の要望に沿って決められたことを紹介した。今回は、地下資源開発に伴うリスクにどう立ち向かおうとしているのか、国立公園内の立地は実現できるのか、温泉旅館事業者との調整はつくのか、に焦点を当てて解説する。

蒸気供給事業と発電事業に分かれていた

 まず地熱発電のシステムを概観してみる(資料1)。地下のマグマの熱が地中の水に触れて、熱水・蒸気が生成され、貯留層に溜まる。ここに抗井(生産井)を通して熱水や蒸気を地表に噴出させる。熱水と蒸気を気水分離機(セパレーター)を通して分離し、熱水は減圧機(フラッシャー)を通して蒸気を発生させる。この蒸気をタービンに当てて発電する。発電システムとしてみた場合、熱水や蒸気が通る導・配管、セパレーター、フラッシャー、タービン、発電機などからなる。汽力発電所としてみる場合の最大の特徴は、所内に燃料を焚くボイラーがないことである。ボイラーに相当するのは天然のマグマということになる。使った熱水は、還元井を通して地下に戻し循環させる。

 マグマが有するエネルギーの規模に比して、利用するエネルギーは微々たるものであり、利用後の熱水を地中に戻すこともあり、再生可能エネルギーに分類される。日本のように降雨量の多い地域ではなおさらである。火力発電では水で蒸気を作るが、地熱は様々な成分を含む地下の熱水を使う。地上での環境によくないものも含まれる。公害防止設備を設置してこれを除去し、還元井を通して地中に戻す。

 火山地帯は自然公園を形成し、従って地熱発電の適地は公園内に多く、掘削や配管・発電所建設工事は自然環境に影響を及ぼす。地熱発電に適した土地は、たいてい周囲には温泉旅館があり、熱水の大量使用により温泉が枯渇するのではとの懸念が持たれる。

コメント10件コメント/レビュー

地下の熱水を直接使うのではなく、ヒートパイプ等で地下から熱だけを取り出して、水蒸気は純水で発生させる事は出来ないのだろうか?門外漢が思いつくような事はすでに検紅済か…(2012/05/28)

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「地熱開発に3つのハードル」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

地下の熱水を直接使うのではなく、ヒートパイプ等で地下から熱だけを取り出して、水蒸気は純水で発生させる事は出来ないのだろうか?門外漢が思いつくような事はすでに検紅済か…(2012/05/28)

自分は東北の温泉の大ファンで、特に八幡平周辺が気に入っている。しかし、ありとあらゆる手段を使っても手遅れかもしれないほど、今まで対応が後手後手だったエネルギー行政。反対する側も、日本全体の問題を自分自身の問題として考える様な危機意識を持って、議論してほしい。(2012/05/26)

 地熱発電は、不純物がパイプ内壁に堆積して詰まることが問題ということが30年以上前から言われていましたが、それはフィルタなどで解決したのでしょうか。 自然エネルギーに関しては、自分に不利な情報は開示しないという胡散臭さをいつも感じています。(2012/05/24)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長